第11管一條本部長「全く影響ない」 中国公船「砲」大型化で見解

 
過去最大の砲を搭載した中国公船を初確認したことについて説明する第11管区海上保安本部の一條正浩本部長=24日、那覇港湾合同庁舎(那覇市)

 第11管区海上保安本部の一條正浩本部長は24日、那覇市の那覇港湾合同庁舎で会見し、15日に尖閣諸島周辺海域の領海外側にある接続水域で過去最大となる大型の砲を搭載した中国公船「海警2204」を初確認したことについて「(領海警備体制には)全く影響ない」との認識を示した。その上で「冷静かつ毅然(きぜん)と対応するということに尽きる」と強調した。

 一條本部長は、砲が大型化したことに対する受け止めについて「現在、分析中で、今日時点で明確にお答えできるものはない」と述べるにとどめた。

 ただ、現場の反応については「冷静に受け止めていると思う。さらに緊張感を維持しながら対応している」と説明した。

 また、海上保安庁の巡視船に搭載されている武器は、40㍉砲が最大であると説明。その上で「警察機関である海上保安庁として最適な武器の大きさはどのようなものであるかという視点で検討は必要だと考えている」と語った。 

 大型の砲を搭載した中国公船に対して、海上保安庁の巡視船で対応できるのかという問いがあることにも触れ、一條本部長は「安心していただきたい。評価は大きさや数字だけではなく、『戦術』を含めて評価するものだ」と述べた。

11月15日に尖閣諸島周辺海域の接続水域で初確認した過去最大の砲を搭載した中国海警局の公船「海警2204」(写真提供・第11管区海上保安本部)

 さらに、現場を預かる第11管区海上保安本部として「能力の維持向上を積み重ねていくことが重要」との考えを示した。

 中国公船の砲の大型化が長期的にどのような影響があるかについては「東京の本庁を含めて、これを長期的にどのように捉えるかについては分析中で、判断するにはもう少し時間が必要。わずかな変化も見逃さないということを心掛けて、現場対応を続けていく」と応じた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

Print Friendly, PDF & Email

関連記事

おすすめ記事

  1. 試合後の挨拶で声を詰まらせる琉球コラソンの東江正作監督=2月23日、那覇市の沖縄県立武道館(長嶺真…
  2.  公立大学法人名桜大学(名護市、砂川昌範学長)と、沖縄本島北部の新テーマパーク事業…
  3. 屋那覇島 2015年著者撮影  34歳の中国人女性が「私が買った」とSNSにアップしてから、…
  4. 沖縄本島北部の伊是名村に属する無人島・屋那覇島。周囲は浅瀬で、エメラルドグリーンの海が広がっている…
  5. 座間味島付近の上空で目撃された白い球体=2022年4月28日午前(山本拓海さん提供)  偵察…

特集記事

  1. 練習中も大会本番と変わらない気迫で形を打つ喜友名諒=2022年11月撮影  東京五輪で初採用…
  2. 下地島空港  今年1月、在沖米海兵隊が人道支援・災害救援を目的とした訓練のため宮古島市にある…
  3. OTS台北事務所の與那覇正雄所長=1月9日、台北市内  昨年6月に訪日観光客(インバウンド)…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ