オミクロン株急拡大 沖縄県の飲食店規制に不満続出

 

山口、広島は酒類提供を停止  

 政府は沖縄県のほか、山口、広島両県についても重点措置を適用した。この両県では感染拡大を防ぐ観点から認証店であっても酒類提供を停止しており、沖縄より厳しい措置を講じている。緊急事態宣言だと飲食店は休業の対象となり酒類の提供もできないが、重点措置であっても都道府県が酒類提供の停止を要請することは可能となっている。

 沖縄では今回と似たようなケースが、感染第5波に突入しようとしていた2021年5月にもあった。当時も沖縄県は重点措置期間中にあったが、感染が広がる中で酒類提供の停止には消極姿勢だった。政府内では「緊急事態宣言の適用を要請する前に、まず酒を止めることが先ではないのか」との不満が渦巻く中で、結局、その後も感染拡大が収まらず、半ばなし崩し的に緊急事態宣言の対象地域に組み込まれたのだ。

 県はなぜ、今回も酒類提供の停止に踏み込まないのか。1月7日の記者会見で、玉城デニー知事は、山口や広島に比べると「甘い」との批判は免れないとの質問に対し、「(コロナ対応に関する県内の)経済対策関係団体会議からの意見も聴取した上で、県が総合的に判断した」との考えを強調。その後も「総合的な判断」と繰り返し、飲食業界や経済界への配慮を滲ませた。

20210511_知事ホール会見_宮古毎日新聞社
玉城デニー知事 写真:宮古毎日新聞社提供

 かつてないスピードで感染が急速に拡大する沖縄県。今回の県の決定が、「爆発的」(玉城知事)な感染拡大にどの程度効果を発揮するかは予断できない。感染抑制と経済活動の両立をどう図るか。県の対応が2022年もしばらく問われ続けることになる。

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