一番に伝えたい「楽しんだ」~パラ車いすマラソン喜納選手帰沖~
- 2021/9/11
- エンタメ・スポーツ
42.195kmの道のり、厳しい坂を登り切ってのゴール。9月5日に行われた東京パラリンピックの陸上女子マラソン(車いすT52)に出場した喜納翼選手(31・タイヤランド沖縄)。初のパラは1時間42分33秒で7位入賞。車いす陸上を始めて8年目、19年の大分国際車いすマラソンでは日本記録の1時間35分50秒を樹立とキャリアを積み重ね挑んだ東京での大舞台。競技後のインタビューでは悔しさをにじませたものの、帰沖直後の空港取材では笑顔で応援への感謝を語った。
今できる全ては出せた
厳しい登り坂が待ち構え、さらに雨中でのスタート。5日午前6時40分にスタートした女子の車いすマラソンは、選手たちにとってタフなコンディションとなった。序盤からスキャローニ選手(米)が独走し、それを2位グループが追う展開となった中、後れをとった喜納選手だったが、久しぶりの国際レースに「火がついた」と、15kmまでには2位グループに追いついた。そのあと30km手前までは集団に食らいつくも、海外トップ選手達の後半も落ちないスピードや坂道を登り切る力の前に、7位という結果になった。自身が苦手と語っていた登坂対策も筋力アップに励み挑んだだけに、競技後のインタビューでは「力不足だった」と唇を噛んだ。
翌6日の夕方、喜納選手の姿は那覇空港にあった。地元うるま市や障がい者スポーツの関係者、家族などの出迎えに、その顔はほころんでいた。報道陣の取材には、悔しさの一方で今できる全てはやれたので後悔するところは残っていないと語った。
「すごくいろいろな人に激励して頂いて、パラリンピックってこんなに見てもらえて、応援してもらえるんだなと感じました。実際コースを走っていて、きついところ苦しいところはいっぱいあったんですが、その時々で応援して下さった方の顔が出てきて『ここ踏ん張ろう、ここ粘ろう』という風に思えました」