FC琉球、下位同士の対戦で貴重な「勝ち点3」! 北九州に1ー0、10試合ぶり無失点

 
試合前の写真撮影に臨むFC琉球の先発メンバー=19日、福岡県のミクニワールドスタジアム北九州(FC琉球提供)
試合前の写真撮影に臨むFC琉球の先発メンバー=19日、福岡県のミクニワールドスタジアム北九州(FC琉球提供)

 サッカーJ3のFC琉球が5試合ぶりに勝利を手にした。

 暫定18位の琉球は19日、福岡県のミクニワールドスタジアム北九州で同19位のギラヴァンツ北九州と今季第22戦を行い、1ー0(前半0ー0、後半1ー0)で競り勝った。無失点は10試合ぶり。通算成績は8勝11敗3分の勝ち点27。この日は勝利した下位チームが多かったため、順位は変わらず20チーム中18位のまま。

野田主将、ヘディングで今季7ゴール目

 前半は22分にFW野田隆之介主将がMF中野克哉からのクロスに頭で合わせて相手ゴールに迫る場面はあったが、多くの時間で北九州に流れをもっていかれた。

 ロングボールを多用してディフェンスラインを下げさせられ、度々裏にパスを通されてピンチを迎えた。それでもGKダニー・カルバハルが1対1の場面で好セーブを見せるなどし、スコアレスのまま前半を折り返した。

 ハーフタイム、喜名哲裕監督は「球際でもっと戦え」とチームを鼓舞。その効果もあってか、後半はよりボールへの執着心が高まり、流れを奪い返していく。すると後半25分、右サイドからDF高安孝幸が上げたクロスにペナルティエリア内で反応した野田が頭で合わせ、ゴール右隅に流し込んで先制した。

 最後は5バックに切り替え、1点を守り切る戦術に切り替えた。球際での強いプレッシャーを維持し、さらにカルバハルも相手のヘディングシュートを左手一本で弾くなど再び好セーブを見せた。直後にもクロスからヘディングシュートをジャストミートされるが、クロスバーに直撃して運にも恵まれ、勝ち切った。

「この流れを途切れさせない」

ベンチからピッチに視線を送る喜名哲裕監督(FC琉球提供)
ベンチからピッチに視線を送る喜名哲裕監督(FC琉球提供)

 アウェーでの苦しい試合で貴重な勝ち点3を手にした琉球。チームトップの今季7ゴール目を挙げた野田主将は「練習中から高安にああいうボールを上げてくれと話をしていたので、練習から生まれたものだと思います。ただ自分のゴールより勝ち点3の方が何より大事。みんなで勝てたことが本当にうれしいです」とコメントした。

 失点の多さが課題に挙がる中、久しぶりに無失点で終えたことについては「ゲームの中でいろんな状況が生まれるので、選手同士でしっかり話し合い、修正して、その場で対応できるようにしていました。ハーフタイムの監督の指示通り、最後も体を張って守れていたので、みんなに感謝したいです」と評価。その上で「この流れを途切れさせないように、しっかり休んで次戦に向かいたいです」と力を込めた。

 琉球は次戦、今月5日に台風6号の影響で中止となっていた暫定12位のヴァンラーレ八戸とのアウェー戦を23日に行う。1カ月以上ぶりに挙げた白星で勢いをつけ、さらに勝ち点を重ねて一刻も早く下位から抜け出したい。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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