キングスがBリーグ悲願の初優勝!千葉に88ー73、CS無敗で完全制覇
- 2023/5/29
- エンタメ・スポーツ
プロバスケットボールBリーグ1部西地区1位の琉球ゴールデンキングスは28日、神奈川県の横浜アリーナで2戦先勝方式のチャンピオンシップ(CS)ファイナル第2戦を行い、東地区1位の千葉ジェッツに88ー73で勝利した。これでキングスの2連勝となり、球団初の優勝が決定。入場者数はBリーグ史上最多の13,657人に上った。チームには試合後、島田慎二チェアマンから優勝トロフィーや賞金5千万円が贈呈された。
CSのMVPには2試合を通して平均19.5点、10.5リバウンドを記録したアレン・ダーラムが輝いた。ファイナルで最も印象的なプレーを見せた「ファイナル賞」には、第2戦で21得点、8アシストと勝負強さを発揮したコー・フリッピンに贈られた。
キングスはCSで戦った6試合を無敗で頂点まで駆け上がり、完全優勝となった。2016年に創設されたBリーグにおいて、これまでの優勝は全て東地区の関東圏に拠点を置くチームだったため、西地区からの優勝も初めてとなった。
フリッピンが第4Qに爆発 得点、アシストでけん引
試合は前日に勝利した勢いをそのまま持ち込んだかのように、キングスが引っ張る。岸本隆一を皮切りに今村佳太やダーラム、松脇圭志らが満遍なくスリーポイント(3P)を決めた。さらにディフェンスでも千葉最大の武器である3Pに対して個々の選手が相手との間合いを詰め、簡単に打たせず、第1クオーター(Q)から二桁点差をつけた。
ただ千葉Jは、第1戦でファウルトラブルに陥り、プレータイムの少なかった帰化選手のギャビン・エドワーズがこの日はファウルを我慢しながらコートに立ち続け、高さで優位に立つ。そのためキングスは強みであるオフェンスリバウンドを前半で3本しか取れず、9点リードで前半を折り返したものの、圧倒しているという印象はなかった。
迎えた第3Q、今村の好アシストからジャック・クーリーが得点してリスタート。しかし富樫とクリストファー・スミスに連続3Pを決められるなどして追い上げられ、このクオーターの残り約3分で47ー47の同点に追い付かれた。
しかし、勝負の第4Qにフリッピンが果敢なドライブから4つのファウルをもらい、獲得したフリースロー8本を全て成功。このクオーターだけで13得点、2アシストとチームをけん引し、勝利の立役者となった。
セカンドユニットの躍動が最大の勝因
千葉Jは2試合続けて得点を決めたのが6人のみだったが、キングスは第1戦が11人、第2戦が10人に上り、層の厚さが際立った。第2戦の最終第4Qもフリッピン、牧隼利、松脇、ダーラムと、ベンチスタートの「セカンドユニット」がほとんどの時間出場し、勝負を決めた。
MVPを獲得したダーラムは「今シーズンの初めに、昨年足りなかったピースをかき集めるところから色んなことに取り組んできました。浮き沈みの激しいシーズンでしたが、ハングリー精神と我慢をし続けてチーム一体となって、取り組んできました。チームメイト、コーチ陣、スタッフの皆さんを誇りに思っています」と語り、シーズンを通して構築してきた総合力を誇った。
フリッピンも「試合を振り返ってみると、どちらに転んでもおかしくない試合だったと思います。このチームを象徴するように誰がヒーローになってもおかしくない試合になりました。このチームを誇りに思います。最後ファイナルブザーが鳴ったときは色んな方々の色んな感情が湧き出た瞬間でした。優勝できてよかったです」と話し、自身の活躍よりもチーム全体の力に対しての自信をうかがわせた。
桶谷大HCは「今日もトランジションと3Pシュートを抑えるディフェンスを強調しました。連続で決められた部分もありましたが、相手の一番嫌な形で得点でき、良い流れをつかめたことで良いディフェンス、オフェンスができたと思います。千葉Jさんは本当に強くて最高の相手と最高の舞台で戦えてよかったです。本当に戦っていて楽しかったです」と振り返った。