5月有効求人倍率0.83倍 沖縄労働局「厳しい状況」
- 2021/6/30
- 経済
沖縄労働局は29日、5月の県内有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.05ポイント上昇の0.83倍(全国平均1.09倍)だったと発表した。有効求人倍率が全国最下位となるのは15カ月連続。福味恵局長は、「求人に対して求職の超過が続いており、厳しい状況にある」と指摘した。完全失業率(季節調整値)は、前月より0.5ポイント低下(改善)の3.4%となった。
同局では、5月23日から沖縄に発出されている緊急事態宣言で求人数が伸び悩むと予測していたという。想定に反して有効求人倍率が上昇した要因について、同局は観光関連産業を中心に、夏場を見据えた短期雇用の求人募集が増加したことなどを挙げた。
県庁で会見した福味局長は、求人倍率の上昇について「求職者が緊急事態宣言で減少したことを割り引いて考える必要がある」とも説明した。
福味局長は、緊急事態宣言が7月上旬まで続くことを踏まえ、県内の雇用情勢について「感染者数も収束する見込みもないので、今後も一進一退の動きが続き、急には見通せない」との認識を示した。
5月の新規求人数(原数値)は、前年同月比13.6%増の7437人で2カ月連続の増加となった。ただ、新型コロナウイルスの影響がなかった2年前の同月との比較では35.7%少ない状況となっている。
厳しい雇用情勢の中で、県内の新規求人数に占める正社員求人の割合は38.3%と前年同月から2.8ポイント上昇。正社員の有効求人数も16カ月ぶりの増加となった。福味局長は「求人全般としては低調だが、基幹的な役割を果たす正社員については一定程度確保したいという(企業側の)思惑がある」と指摘した。
同日は、県全体の離職求職者数が前年同月比18.8%減の3608人となったことも発表された。このうち、「事業主都合」は同38.9%減の1056人だった。同労働局は、雇用調整助成金などで企業が雇用の維持に努めていることが起因していると分析している。
福味局長は「雇用調整助成金の受け付けや、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の支給などによって、企業における雇用に維持、あるいは、労働者の生活保障に努めている」と説明した。
(記事・写真 宮古毎日新聞)