飲食店への休業・時短要請を継続 県立学校は再開へ
- 2021/6/18
- 新型コロナ・医療
県は17日、政府が沖縄の緊急事態宣言を7月11日まで3週間延長すると決定したことを踏まえ、対策本部会議で今後の対処方針を決定した。県立学校の休校措置は予定通り20日までで終了する一方、飲食店等への休業・時短要請は継続する。沖縄本島と離島間の移動、県外からの来沖についても、引き続き自粛を求めた。
緊急事態宣言について、県は2週間の延長を国に求めていた。政府は、沖縄の感染状況を踏まえ、県の要請より長い期間の延長が必要と判断した。全国で緊急事態宣言が発令されていた10都道府県のうち、沖縄だけが宣言が延長された。
玉城知事は、国の決定について「さまざまな数値、医療現場の逼迫(ひっぱく)などを勘案して総合的に判断されたと思う。気持ちとしては2週間で抑え込めるように取り組みたい」と述べた。
直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)は、沖縄は58.13人。5月末~6月初めの値と比べると半分以下にまで低下しているが依然として全国最多で、都道府県2番目に多い東京都(19.27人)の約3倍となっている。
1人の患者が何人に感染させたかを示す「実効再生産数」は、沖縄本島で0.61まで低下した。ただ、入院中の感染者が400人を超え、自宅療養中が700人以上の状況が続くなど医療の逼迫は続いている。
今回の対処方針では、飲食店へは酒類やカラオケを提供する飲食店に休業を引き続き求めるほか、それ以外の飲食店(宅配・テークアウト除く)には午後8時までの営業時間の短縮要請を継続した。
県立学校は、21日から再開することとしたが、地域の感染状況を踏まえ、時差登校や分散登校を検討するよう求めた。部活動は原則中止を継続し、九州・全国大会に係る大会等に出場する場合に限り、時間や人数を制限して認める。
小中学校については、県の対応等を参考に地域や学校の状況を踏まえて判断するよう市町村教育委員会に依頼するとした。
県民や県内滞在者に対しては、不要不急の外出や移動の自粛を求め、特に午後8時以降は外出を控え、接触機会を徹底的に削減するよう呼び掛けた。必要な外出や移動であっても、混雑する場所や時間帯を避けるよう強調している。
沖縄本島と離島との往来や、帰省を含めた県外からの来訪は自粛を求め、やむを得ず来訪する場合は、来県前の検査による陰性判定を受けるよう求めている。来県前に受検できない場合は、空港等でのPCR検査受検を呼び掛けた。
床面積が1000平方メートルを超える大規模小売店(生活必需物資を除く)や遊戯施設などに対して行っていた土日の休業要請は、ゲームセンターやフードコートなどを除いて20日までで解除するとした。
ワクチン接種の加速を
17日の会見で、玉城知事はワクチン接種の加速について、エッセンシャルワーカーなどを対象の視野に入れた3カ所目の広域接種センター設置を示唆した。「優先接種の要望が多いエッセンシャルワーカーなどの接種加速のためにもう1カ所広域センターを設置したい」と述べた。
糸数公医療技監は「社会基盤を支える方々への接種加速を県が行うべきとの考え。調整を始めたばかりで具体的な形ははっきりしないが、感染拡大を防ぐため、幅広くいろんな業種について検討していきたい」と説明した。
このほか、嘉数登商工労働部長は、休業や時短営業の要請に対する協力金に関連して「協力金が振り込まれるまでの資金繰りは、県内の地銀の方に要請し、つなぎ融資の形で対応できるようになっている。実際に受付も始まっている。ぜひ、活用してほしい」と強調した。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)