県、改めて来県自粛を要請 「デルタ株」拡大を懸念
- 2021/6/29
- 新型コロナ・医療
玉城デニー知事は28日、県内の新型コロナウイルス感染状況について、感染力が強いインド由来「デルタ株」の確定例や疑い例の確認が続いているとして、緊急事態宣言中の来県自粛や、県民の県境をまたぐ移動自粛などをあらためて呼び掛けた。
県内の新規感染者数は、6月4日から23日連続で前週を下回っていたが、27日に前週と同じ数値となるなど再び増加に転じる可能性が出てきている、一方で、デルタ株の確定例や疑い例は、24~26日の3日連続で計5人確認された。
5人の地区別内訳は、那覇市が3人、八重山保健所管内に県外から訪れた旅行者と中部保健所管内が各1人。5人のうち、3人が県外者と関連があるとみられている。
県は、デルタ株と疑い例の検出率は直近で2%と分析しているが、同株への置き換わりが進んだ場合には感染再拡大もあり得ると強く警戒している。玉城知事は、「デルタ株でも、一人一人のうつらない、うつさない対策が最大の対抗手段だ」と訴えた。
緊急事態宣言の解除可否「引き続き推移を分析する」
新規感染者数が反転増となる可能性が高まりつつある中で、県内の療養者数は依然として1000人を超えている。また、県が定める警戒レベル7指標のうち、3つは最も高い「感染まん延期」のままだ。
一方、東京や大阪など9都道府県で緊急事態宣言が20日までで解除されたのを受け、県内への入域観光客は増加傾向にあるとみられる。県によると、9都道府県での宣言解除後には県外者との接触による感染例が散見され始めたという。
県外からの移入例を防ぐため、玉城知事は「来訪者の方々は、事前のPCR検査など、県の方針にしっかり協力してほしいと呼び掛けたい。われわれも、検査を強化拡充する必要があると思う」と強調した。
県内で7月11日まで発令されている緊急事態宣言については、「もっと(警戒レベル判断指標が)改善しないと先が見えてこない。引き続き推移を分析していきたい」と述べるにとどめた。
28日の会見では、感染リスクの高い職種や社会秩序の維持、経済活動の回復に従事するエッセンシャルワーカーを対象とする「エッセンシャルワーカー等広域ワクチン接種センター(仮称)」を新たに那覇クルーズターミナルに設置し、7月15日からの運用に向けて準備していることも発表した。
玉城知事は「接種加速化計画の策定に取り組んでおり、可能な限り早期に集団免疫が得られるよう、県全体の接種加速化に全力で取り組んでいく」と述べた。
このほか、新型コロナの影響で献血が減り医療用血液が不足しているとし、「献血は不要不急の外出に当たらない。積極的な協力をお願いしたい」と呼び掛けた。県によると、17日時点で不足している血液は185人分で、医療機関でも血液の不足が続いているという。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)