沖縄で唯一資産運用ができるクラファン事業とは?財全GROUP池田代表
- 2021/6/7
- 経済
話す言葉によどみはない。一代で八面六臂に成果を出してきた創業者、そんな印象を受ける。出身地である浦添市で創業し27年の節目を迎える株式会社財全GROUP。池田盛作代表(54)は「社会の仕組みに生かされている。地域に貢献できる企業グループで在りたい」と語り、顧客や社会に愛される会社を目指している。
貸金業の起業から沖縄で唯一、資産運用ができるクラウドファンディング事業までどのようにビジネスを展開してきたのか。経歴から、社会の移り変わりに順応できる素の才覚と商売の勘所の良さが伝わってきた。次はどんな一手を打つのか。創業から展望までを聞いた。<PR>
ファイナンスから不動産業まで連携。グループで独立採算制を実現
財全グループは、不動産事業、ファイナンス事業、環境・エコ事業、クラウドファンディング事業、ビジネスマッチングを見据えたセミナー事業など7法人で構成されている。
不動産事業は、売買・賃貸・売却した不動産を買い戻すことができるリースバック、店舗と主要設備を合わせて販売する居抜き物件の取り扱いなどサービスは多岐に渡る。
ファイナンス事業は、九州・沖縄で唯一となる融資型クラウドファンディング事業、不動産担保融資、診療・介護報酬・売掛債権ファクタリング事業を提供している。業界の仕組みから商品の知識、業務に関わるあらゆる内容に精通する必要があるが、営業からバックオフィスまで専門知識を身につけたプロフェッショナル集団が組織を支えている。
社員は毎朝、オフィスや会社の敷地内を掃き清める。月に1回のボランティア清掃では、会社周辺も掃除し地域への感謝を忘れない。役員が「当たり前のことを当たり前に。その当たり前のレベルを皆で上げて行こう」と呼びかけ、職場環境の向上に務めている。
免許や資格取得のために終業後も勉強に励む社員も少なくない。若手社員が先輩や上司に教えを請う光景も日常的だ。
お金でお金を稼ぐ。実体験が金融業への原点
池田代表は建設業を営む父親を見て育ち、「自分が不動産業をやれば幅広く事業を展開できる」と考え、大学2〜3年次に宅地建物取引士を取得した。学生時代は欲しい車の頭金を貯めようと複数のバイトと父親の会社の仕事を掛け持ちしながらお金を貯めていたが、肉体労働の過酷さとお金を稼ぐ厳しさを痛感し「お金に使われたくないと思った。ビジネスを学び、お金に勝ってやろう」と決意したという。
ある日、株式投資をしていた知人に100万円を貸すことになった。月額3万円の利息を得ることで合意し「お金でお金を稼ぐ方法に気づいた」と話す。その後は本業と個人金融の両輪で27歳までに創業資金の元手となる約4,000万円を貯めた。
大学卒業後はマンション販売会社に就職。営業マンとして経験を積んだが父親の事業失敗を機に家業の経営に携わることになった。建築工程の段取りから生コンクリートの数量決めまで現場を踏んだ。
その後は大手不動産会社で不動産・アパートの管理物件の営業マンとして働き、27歳で企業向けの貸金事業で独立。社員1人、事務員1人の計3人でスタートした。池田代表と社員の2人で「事業のつなぎ資金を借りませんか?」と自ら営業に汗をかき、次第に顧客を獲得していった。創業5年後には社員20人を率いるまでに成長。勢いがあった。