2020年度の有効求人倍率0.79倍 過去最大の下げ幅
- 2021/5/3
- 経済
沖縄労働局(福味恵局長)は4月30日、県内の有効求人倍率は2020年度平均で0.79倍となり、前期比で0.52ポイント低下したと発表した。統計を始めた1963年度以降で過去最大の下げ幅となった。
同労働局は「新型コロナウイルス感染症の影響を、観光関連産業にけん引された沖縄では大きく受けた」と分析している。年度平均の有効求人倍率が1倍を下回るのは、0.95倍だった2015年度以来の5年ぶりとなる。0.70倍台となるのは、2014年度以来という。
同年度の新規求人数は前期比29.5%減の9万8314人で、2期連続の減少となった。主要産業別では、宿泊業・飲食サービス業が同55.4%減の7319人、卸売業・小売業は同49.0%減の8913人、医療・福祉は同13.3%減の3万2581人、建設業は同9.3%減の7610人などなっている。
3月の県内失業率、4.4%
同日は、今年3月の県内失業率が前年同月比1.5ポイント悪化の4.4%になったことも明らかになった。2月と比べても0.7ポイント悪化している。3月の有効求人倍率は0.76倍で、前月より0.01ポイント上昇したが、13カ月連続で全国最下位となった。
同月の地区別の有効求人倍率(受理地別)は、那覇地区0.71倍、沖縄市地区0.69倍、名護地区0.97倍、宮古地区1.28倍、八重山地区0.96倍だった。
福味局長は「新型コロナで沖縄は大きな影響を受けている。沖縄では観光関連産業のウェイトが大きかったことが考えられる。現在、新型コロナの第4波が来ており、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言も出されている。厳しい状況が続くだろうと考えている」と述べた。
コロナによる解雇等、計2000人超
このほか、同日は新型コロナに起因する解雇等の見込み数が、昨年2月からの累計で2097人となったことも発表された。内訳は、正規労働者が799人、非正規労働者が1021人。産業別では、卸売業・小売業が452人、サービス業(他に分類されないもの)が422人、宿泊業・飲食サービス業が411人などとなっている。
福味局長は「昨年7月ごろまで、かなり多くの方が解雇等となり、その後はいったん収まっていた。(ただ、)直近では2週間で148人と、やや大きな数が計上されている。大型の希望退職の募集事案があったことが理由」と語った。
同局では、県内企業に対して「新型コロナの影響下で非常に厳しい状況にあると思いますが、雇用調整助成金などを活用して雇用の維持を図っていただきたい。また、余剰人員を在籍させたまま出向させることで雇用維持を図る事業主に対する産業雇用安定助成金もある。ぜひ相談してほしい」と呼び掛けている。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)