選挙結果は軍港移設推進 玉城知事が見解
- 2021/2/8
- 政治
現職の松本哲治氏が3選を決めた浦添市長選を受けて8日、玉城デニー知事は県庁で記者団に対し、選挙結果は那覇軍港の浦添移設推進との認識を示した。
那覇軍港の浦添移設をめぐっては昨年8月、県と浦添市、那覇市が北側案で合意。それまで、県や那覇市の北側案とは異なる南側案を提唱してきた松本氏が「苦渋の決断」と述べて受け入れを表明している。
一方、市長選ではオール沖縄勢力が推す前市議の伊礼悠記氏が「軍港移設反対」を明確に主張し、移設推進の立場を取る玉城県政とは「ねじれ」の形で選挙戦を戦った。浦添市民の判断が注目されたが、松本氏の得票は伊礼氏の2万2503票を大きく上回る3万3278票となった。
玉城知事は8日、「県と伊礼さんの立場が違うことが、選挙に影響したか」との質問に対しては、「影響しなかったということは、私にはまだ分析していないので、よく分からないが、お互いがオール沖縄という枠組みの中で政策も多く重なっている。私も何らかの応援が出来たのかなと思っている」と述べた。
また、記者団からは「軍港の移設反対を掲げた伊礼さんが当選した場合に、例えば県が反対に転じるということを明確にできなかたっことが、結果的に松本さんの『県が(移設を)容認しているから仕方がない』との(主張の)説得力を高めてしまったのではないか」との質問も出た。
これに対し、玉城知事は「私は、選挙応援の際に、『進める』『反対する』ということを言うと、選挙結果を誘導しているかのように受け取られてしまうので、そのことについては選挙の応援では言及しなかった」と述べた。
その上で、「市民の命と生活を守るという伊礼さんの政策は、我々が進めているコロナウイルスの対策とも重なる部分も多かった。そのことを、私は街頭ではしっかりと訴えさせていただいたつもりです」と語った。
記者団からの「民意は(軍港)移設を前に進めるということか」との問いに対しては「選挙結果は、そのように受け止めている」と答えた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)