市政刷新訴えに「反現職」票が呼応 新人勝利の宮古島市長選

 
当選直後、だるまの目入れをする座気味一幸氏

県内市長選連戦への弾み

 「オール沖縄」と一部保守系で「市政刷新」を訴える前県議の座喜味一幸氏と「市政継続」を掲げて4期目を目指す現職の下地俊彦氏との一騎打ちとなった宮古島市長選挙は、座喜味氏の勝利で幕を閉じた。

 現職支持と保革相乗りという対立構図で票読みが困難だった上、新型コロナウイルス感染防止への配慮も求められ、今回の市長選は両陣営とも「非常に厳しい選挙」と評した。下地陣営側が有する政府与党や建設関係業者の組織力を、市政の刷新を求める“反現職”の票が覆す結果となった。

 今年2月の浦添、4月のうるまと市長選が続く2021年。“緒戦”となった今回の宮古島で勝利を飾ったオール沖縄勢力と玉城デニー知事側にとっては、これから続く連戦の良いスタートを切る形だ。一方、3市長選に加えて、来年秋に予定される県知事選での県政奪還を見据える自民党にとっては大きな痛手になった。

勝つため、異例の保革共闘

 座喜味氏の擁立が正式に決定するまで、オール沖縄からの候補者選定は難航していた。宮古島ではオール沖縄として活動しているのは主に革新系市議で、実質的に「宮古のオール沖縄=革新」という構図になる。宮古島のオール沖縄関係者と一部保守系で構成する「市政刷新会議」は現職への対抗人選を急ぎ複数人に出馬を打診したが首を縦に振る人物がおらず、現職の無投票当選を懸念する声も出ていたという。
 一部保守系からは座喜味氏の他に元市職員の名前が挙げられていたのに加え、オール沖縄で市議の島尻誠氏も出馬への意欲を見せたことから、同会議での調整を重ねた。

次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ