市政刷新訴えに「反現職」票が呼応 新人勝利の宮古島市長選

 

 強固な保守地盤の宮古島では、革新陣営での分裂は致命的になるため「勝つためには一本化が何としても必須」(座喜味選対関係者)。こうした状況の中で、11月から1月までの“超短期決戦”を制するための知名度を有する座喜味氏が革新にとっての重要な拠り所となった。

「最初から革新だけでは勝てないと考えていたので、保守系の協力は不可欠だった。もちろん反発も出たが、いがみ合ってる場合じゃないという市民の声も一定数あり、市政を変えようという大きな目的の元でどうにか一本化の合意にまで持っていけたんだと思う」(選対幹部)

 直近の宮古島での選挙では、昨年6月の県議選で現職サイドが支持した下地康教氏が8937票、オール沖縄勢力の國仲昌二氏は7605票で当選した。一方、この時座喜味氏は落選したものの5004票を獲得。県議選の得票数で見れば、革新と座喜味氏を合わせて「刷新勢力」を実現すると現職サイドを3000票余り上回る。ここに勝算がチラついていた。

 「刷新」に向けて宮古島の市長選では異例の保革共闘体制が動き出した。

「好き嫌い」の選挙

 座喜味氏は現市政に「閉塞感が蔓延している」として、市政の刷新を訴えて選挙戦を展開した。

 一本化はしたものの、保革での考え方の違いのために「やはり序盤はギクシャクした」(選対幹部)。ただ、草の根での選挙活動に取り組んでいく中で市民からの大きな反応があり、支持層の広がりを実感した。

 新型コロナウイルスの影響を踏まえ、座喜味陣営では投票率を60%程度と予想して当確ラインを1万4000票~1万5000票に設定。開票後の投票率は65.64%と想定よりやや高めとなったが、革新の持ち票を維持し、保守票も切り崩しながら15,757票を獲得してきっちりと設定当確ラインを超えた。

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