「単年度の黒字化がそれほど後ろ倒しになる要素はない」下地島空港会社・伴野賢太郎社長インタビュー
- 2021/1/13
- 経済
宮古島の観光を占う上で、下地島空港の成否はカギを握ると言われている。世界中の観光産業がコロナ禍に苦しむ中、下地島空港の現状はどうなっているのか。運営会社である下地島エアポートマネジメントの伴野賢太郎社長に聞いた。
――コロナ禍で2020年度の業績はどのようになりますか?
伴野 正直に言って読みづらい。20年は2月の途中から香港エクスプレスが運休し、4月の緊急事態宣言発令でかなり厳しい措置となった。もろもろの環境を踏まえてジェットスターは緊急事態宣言中に運休し、下地島に定期便は一切飛ばないことになった。そのあいだはターミナルも休館することにした。
ただ、緊急事態宣言が解除され、香港線は飛ばなかったが、ジェットスターが再開してけっこう利用客数が伸びた。ところが、8月に沖縄県が独自に緊急事態宣言を出してそこでがくっと落ちた。それが8月末に解除され、9月、10月、11月は右肩上がりだった。7月はいい数字で、沖縄の緊急事態宣言が解除された9月はお客さんがいっぱい、10月は本当にいっぱいきてくれた。
それでも、ジェットスターさんは会社全体でリストラをしているので、10月の冬ダイヤから「申し訳ないですが」ということで(運休となり)、年末年始だけ飛んだ。そのジェットスターの運休と入れ替わりでスカイマークに羽田、神戸、那覇便を飛ばしてもらった。国交省の申請ベースでは全社で7便あるが、これがそろったことがない。
――スカイマークは1月7日から那覇線を減便しました。
伴野 那覇線は生活路線で、いま移動がすごく減っている。(宮古空港の)JTA、ANAも減便している。それでも今年度の実績は去年より行くと思っている。ただ、緊急事態宣言再発令の解除が遅れると、多分、去年の実績まではいかない。11月後半から12月あたまに首都圏で感染者が増え、ロードファクターが悪くなっているのは事実だ。
しかし、我々の計算だと、香港エクスプレス、ジェットスター、スカイマークで全便がそろえば相当な数のお客さんになる。スカイマークが177人乗り、香港とジェットスターが180人乗りだが、仮に来年4月からの夏ダイヤで香港との往来が始まり、いま申請している路線を各社が来年も申請すると、来年は70万人の搭乗者になる。