400年の伝統題材のエイサーで島を元気に!若者が動画制作
- 2020/12/28
- 社会
宮古島と石垣島の間に浮かぶ、人口1000人余りの多良間島。多くの史跡があり、伝統芸能が継承されているのも魅力のひとつ。中でも、毎年旧暦8月8日から3日間に渡って行われる豊年祭「八月踊り」は400年近い伝統を誇る祭祀で国の重要無形文化財に指定されている。今年は、新型コロナウィルス感染拡大防止対策として中止が決定した上に、島民の安全のため不要不急の渡航自粛、来島自粛が呼びかけられた。
コロナ禍で感染の恐怖と戦いながら暮らしている島民を見て、「多良間島の人たちを元気づけたい」と動き出したのは、昨年発足した八月踊りをモチーフにしたエイサー団体「多良間ふしゃぬふエイサー」だ。多良間島民を応援するエール動画のプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングで資金を募り目標金額を達成、現在は動画撮影に取り組んでいる。多良間ふしゃぬふエイサーの発足やコロナで受けた影響、プロジェクトへの想いや撮影の様子などを、代表の波平雄翔さんに話を聞いた。
「多良間人のアイデンティティーは八月踊りがつくりあげている」
多良間ふしゃぬふエイサーは、 「多良間人交流促進事業」の下、多良間島をルーツに持つ10~40代のメンバーによって構成されたエイサー団体。現代版組踊を生み出した演出家・平田大一さんを演出に迎え、県内の有名ミュージシャンやエイサー団体の指導と支援を受け、「多良間島の八月踊りを世界に広めたい」「世界中にいる、多良間島をルーツにもつ人々とつながりたい」という思いで2019年に発足した。組踊とエイサーをミックスした組太鼓で、八月踊りの組踊の所作を基に振り付けされた太鼓舞が特徴的だ。
代表の波平さんは八月踊りについて「メンバーたちは、進学を機に島を離れ、社会人になり、各々の生活を島外で営みながらも、常に島のこと、八月踊りに思いを馳せている。私たち多良間人のアイデンティティーは、間違いなくこの八月踊りがつくりあげていると言っても過言ではない」と特別な思いを語る。