表現続られる場所を てだこホールで1月にコンサート

 

 来年1月17日に浦添市の「アイム・ユニバース てだこホール」の小ホールで「音楽でおともだちに会いにいこう!!~家族で楽しむコンサート~」が開かれる。
 てだこホールでは例年、浦添市内の小学校に演奏家と出向いて音楽の楽しさを伝えるアウトリーチ事業を行っており、コンサートはその延長線上での催し。今年は新型コロナウイルスの影響で訪問演奏をキャンセルする学校が相次いだ。総務企画課の土屋わかこさんは「コロナに負けない、楽しい音楽を劇場で味わってほしい」と来場を呼びかける。
 コロナ禍になってから、てだこホールは独自のガイドラインやチェックリストを作成し、施設貸し出しの際も感染予防策を徹底。「どうすれば表現を続けられるか」という思いで試行錯誤しながら運営を続けている。

本番に向けてリハーサルをする新崎誠実さん(左)と野尻小矢佳さん

コロナ禍だからこその試みも

 1月17日のコンサートには、ピアニストの新崎誠実さんとパーカッショニストの野尻小矢佳さんに加え、誠実さんの妹でピアニストの新崎洋実さんがゲスト出演する。洋実さんはリモートでの出演で、当日は浦添市の会場と大阪府豊中市会場をネットでつなぎ、リモートでアンサンブルを行う予定だ。

 定員は親子24組(1組4人まで)に限定し、客席をブロックで分けてソーシャル・ディスタンスを保つので、ゆったりとしたスペースで生演奏を楽しめる。出演する誠実さんと野尻さんが「コロナ禍だからこそ音楽でできる面白いことを」と模索し、プログラムやリモートでのセッションを企画した。

 土屋さんは「ネットでの動画配信なども対応しますが、ホールとしての1番のテーマは1日も早く会場で安全に楽しめるということです。リモートセッションも含めて、新しいコンサートの形を示しつつ、お客さんが音楽やイベントを楽しめる環境を作りたい」と話す。

コロナ禍での施設運営について話す土屋わかこさん

利用の取り消しは800件超

 昨年4月に60%だった稼働率は今年同月は20%まで低下した。各種コンクールなどの催しが多い秋頃のピーク時、昨年11月は100%だったのが、今年は60%になった。また、大きな会場のホールから会議室なども含めた全ての施設の利用キャンセルは今年2月から来年6月までの期間で834件に上る。

「稼働率を数字で見ると動いているようにも見えますが、利用者の人数制限や使用時間の短縮など内容に大きな変化があります。これまで当たり前にできていたことができない状態。自主事業も4件が取り消しになり、厳しい状況が続いています」

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