32軍壕の遺骨調査を 「ガマフヤー」具志堅さんが講演

 

 沖縄戦犠牲者の遺骨をボランティアで収集する「ガマフヤー」の代表・具志堅隆松さんの講演が10月17日に那覇市の沖縄県総合福祉センターで開かれた。「ガマフヤー」とは「ガマ(壕)を掘る人」の意味で、具志堅さんは遺骨を家族や故郷に帰すため、長年ボランティア活動を続けている。具志堅さんは首里城地下の第32軍司令部壕や、遺骨収集の現状などについて説明した。講演は第32軍司令部壕の保存・公開を求める会の学習会の一環として開かれた。

遺骨収集について講演する具志堅さん

沖縄戦壕は「戦闘遺跡」

 具志堅さんは首里城地下の第32軍司令部壕について「全体の発掘確認はされておらず、中央の通り抜け部分は遺骨確認の調査をすべきだ」と主張した。沖縄戦では地上戦が展開されたため、壕は「戦争遺跡ではなく、戦闘遺跡」だと指摘し、まだ内部に遺骨が眠っている可能性を示唆した。その上で、平和学習の教材として32軍壕の保存と公開を強調した。

 また、首里城再建に関連して「負の側面を含めた歴史を考え直す必要がある」として、琉球王朝期に過酷な税が課されていた宮古・八重山・与那国など県内離島にとって、首里城がどのように捉えられているのかに配慮する必要性も提示。「離島の人たちが炎上消失について、我々と同じように悲しんでくれるのか、という疑問を持つことも大切じゃないか」と指摘した。

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