犠牲者のみ霊を慰める ひめゆりの塔前で慰霊祭 紛争続く「今だからこそ」
- 2024/6/24
- 社会
沖縄戦で看護要員として動員された「ひめゆり学徒隊」(沖縄師範学校女子部・県立第一高等女学校)の犠牲者を追悼する「戦後79年慰霊祭」が23日、ひめゆりの塔前で営まれた。動員学徒生存者の島袋淑子同平和祈念資料館前館長(96)、仲里正子さん(97)、川平カツさん(95)と、戦没者遺族ら関係者約190人が集い犠牲者のみ霊を慰め、世界の恒久平和を祈った。
同資料館の普天間朝佳館長は、ウクライナ、パレスチナ・ガザ地区の激しい紛争が続くことに触れて、「この様な今だからこそ、地上戦の行われた沖縄戦の歴史と記憶に向き合ってほしい」と述べ、戦争の悲惨さを伝え、語り継ぐことの意義を強調した。
追悼の言葉に当たる「祭主祭文」をひめゆり同窓会の知念淑子会長(95)が読み上げ「亡くなられた皆さまの無念と、ご遺族の心中をお察しする時、深い悲しみをどうすることも出来ません。ウクライナやガザをはじめ、世界中で戦火が絶えず、たくさんの命が失われていくことに心を痛め、一日も早く戦闘を停止してほしいと、沖縄戦を体験した私たちは願っています」と話した。
同学徒隊は動員学徒・引率教師計240人、このうち136人が帰らぬ人となった。学校全体としては、在学中の犠牲者や教師を含め、計227人が沖縄戦で戦没した。
慰霊祭後、普天間館長は世界の紛争について、「特に子どもたちの命が失われている。戦争は始まったら、止めることは困難だが、いろんな国際情勢の中で、先ずは『戦争を止める勇気』が必要だ。世界のさまざまな人たちに止める勇気を持ってほしい」と語った。