沖縄の景況「拡大基調」維持 値上げで販売鈍化の動きも

 
2024年2月の沖縄県内金融経済概況について説明する日本銀行那覇支店の小島支店長=16日、日本銀行那覇支店

 日銀那覇支店(小島亮太支店長)は16日、2024年2月の県内金融経済概況(主要指数は23年12月)を発表し、景気判断について「拡大基調にある」との判断を5カ月連続で維持した。先行きについても「拡大基調が続くとみられる」との判断を継続したが、物価高が家計に与える影響を指摘する声も少しずつ出始めているという。

 個別項目の個人消費は、「緩やかに増加している」との判断を据え置いた。百貨店やスーパーの販売額(全店舗)は、前年比で4.2%増加した。年末年始にかけて、クリスマス商戦でギフト商品がよく売れたほか、オードブルなども売れ行きも良く、イベント商品に対する支出が積極的だったという。

 一方、スーパーで過去に値上げした生活必需品で販売鈍化が見られ、価格が意識されやすいファストフード店では客離れもあるといい、同支店では「個人消費を巡る強弱両方の動きを、しっかりと見ていきたい」と説明した。

 観光の判断も「拡大基調にある」を維持。昨年12月の入域観光客数は、前年比で5.0%増(国内客5.1%減、外国客189.9%増)となり、コロナ前の19年と比べて1割強少ないレベルだが、マイナス幅は縮小した。

 主要ホテル客室稼働率は、同12月は54.9%、今年1月(速報値)は55.9%だった。1月は19年に比べて2割少ない水準で、同支店では政府の需要喚起策、全国旅行支援が昨年11月末で終了したことなどが影響したとみている。

 ただ、今年は新型コロナが5類に引き下げられた後、初めてプロ野球などのキャンプシーズンを迎えていることから、同支店は多数の観光客が訪れることが見込まれることを指摘した上で「先行きの動向を、しっかり点検していきたい」とした。

 個別項目では、公共投資、設備投資、住宅投資などでも、前月の判断を維持した。


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