FC琉球、12日ホーム戦で「全島サッカー1万人祭り」 ”ソルピカ”スペシャルマッチ

 
気持ちの入ったプレーでFC琉球の野田隆之介主将=7月22日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 サッカーJ3で暫定16位のFC琉球は12日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで同7位のFC大阪と今季第21戦を行う。後半戦に入ってから初のホーム戦となる。「1年でのJ2昇格」を掲げる中で厳しい戦いが続き、現在も1カ月近く以上白星から遠ざかっているため、浮上のきっかけとなる勝利をつかみたい。

 この試合は防災用LEDランタン「ソルピカ」のPRも兼ねたスペシャルマッチとなる。当日は会場で毎年恒例の「全島サッカー 一万人祭り2023」も併催され、著名人によるトークショーや世界各国の食を楽しめるキッチンカー、動物と触れ合えるコーナーなど、さまざまな年代の人たちが楽しめる多彩なイベントが用意されている。

野田主将「さまざまな思い込める」

得点を喜ぶFC琉球のメンバー

 琉球の通算成績は7勝10敗3分の勝ち点24。総得点数22も低水準ではあるが、直近の試合であるアスルクラロ沼津とのアウェー戦を0ー4で大敗するなど、総失点数32がリーグで2番目に多く、守備の立て直しが急務となっている。

 沖縄に甚大な被害をもたらした台風6号の影響を受け、5日に青森県で予定されていたアウェー戦は延期となった。それを念頭に、野田隆之介主将は「被害を受けられた県民の皆様にお見舞い申し上げます。先週、チームは台風の影響で八戸に行くことができませんでした。その中でも八戸に向かわれたサポーターの方、沖縄で被災された方、いろいろな厳しい状況があったと思います。自分たちは様々な思いを次節のFC大阪戦に込めないといけない」とホーム戦に向けて気を引き締める。

 台風が通り過ぎた後は通常通りの練習を再開。「チームが掲げているスローガンである『ONE OKINAWA』で戦い、勝ち点3を取るために先週できなかった分のトレーニングを今週は毎日100%の力でやっています。いい準備をしていますので、ファン、サポーターの皆さん、先週爆発できなかった分、スタジアムに来て共に戦ってください」と後押しを呼び掛けた。

“サッカー通”ヒデさんのトークショーなど多彩に

「全島サッカー 一万人祭り2023」のイベントをPRする琉球フットボールクラブ株式会社の荻原直樹営業本部長=8月4日

 一万人祭りでは、千葉県の名門・市立船橋高校出身で、芸能界きってのサッカー通であるお笑い芸人ヒデさんによるトークショーや、「ありんくりん」や「オリオンリーグ」などが出演するよしもと沖縄お笑いライブinFC琉球などが開催される。Jリーグの野々村芳和チェアマンも来場し、関連イベントに参加する予定だ。

 約20台の個性豊かなキッチンカーが集結する「フードワールドカップ」では、ペルーやジャマイカ、韓国、米国などさまざまな国の食文化を楽しめる。ヤギやうさぎ、モルモットと触れ合ったり、乗馬体験ができたりするミニ動物園、ヨーヨー釣りや射的などがあるミニ縁日も子どもたちを楽しませること請け合いだ。

 その他、県内の高校生など8グループが出演するダンスステージや、沖縄市の松本青年会によるエイサー演舞、試合後の花火打ち上げなどもあり、正に試合と祭りが融合した夏の一大イベントとなっている。

 球団の荻原直樹営業本部長は「多彩な催しがありますので、3世代、4世代で楽しめると思います。今年でFC琉球は創設20周年を迎えます。ぜひ会場に来てもらい、よりチームに親しみを持っていただきたいです」と多くの来場を呼び掛けた。チームは厳しい戦いが続いていることを念頭に「シーズンで最大の集客を目指し、後半戦に向けて勢いを付けていきたいです」とも語り、イベントの成功を誓った。

ソルピカでウクライナ支援 台風受け那覇市、沖縄市にも寄贈

沖縄市の桑江朝千夫市長(左から5人)に12日のホーム戦をPRし、防災用LEDランタン「ソルピカ」を贈呈する喜名哲裕監督(同2人目)や上原牧人(同3人目)、富所悠(同4人目)ら=10日、沖縄市役所

 ソルピカは会場で展示販売が行われる。ソルピカは塩水のみで発電し、約120時間LEDライトが点灯する。使用期限は10年間に及び、防災用具の他、キャンプや釣りなどアウトドア用品としても幅広く利用できる。

 2022年5月にはロシアによる侵攻が続くウクライナの大使館に3,000個が寄付された。今回もブースでウクライナ支援を目的とした寄付金の受付を行うほか、今後も売上の一部による金銭支援やソルピカ自体の寄贈も予定されている。

 台風6号による被害を受け、ソルピカを扱う合同会社HeidiHeidi(那覇市久米、代表:YUN Yong du)が大阪戦で使用予定だった100個を琉球を通して那覇市に寄贈したほか、停電被害に遭った琉球の選手やスタッフもこの間にソルピカを利用していたという。10日は沖縄市にも50個が贈られた。

 荻原営業本部長は「台風の影響が直近であったため、那覇市や沖縄市にも寄贈をさせていただきました。商品のアピールを通し、ウクライナの支援にもつなげていきたいです」と意欲的に語った。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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