総失点数リーグワーストの「35」に FC琉球“守備崩壊”で後半戦初のホーム完敗
- 2023/8/13
- エンタメ・スポーツ
守備の崩壊が止まらない。
サッカーJ3で暫定16位のFC琉球は12日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで7位のFC大阪と今季第21戦を行い、1ー3(前半0ー2、後半1ー1)で2連敗を喫した。通算成績は7勝11敗3分の勝ち点24。順位は一つ落として20チーム中暫定17位となり、さらに13日の他カードの結果を受けて暫定18位にまで落ちた。
3試合続けての複数失点となり、今シーズンの総失点数はリーグワーストの「35」にまで積み上がった。前節のアウェー戦が台風6号の影響で延期となったたため、琉球より1試合多く消化しているチームが多いのにも関わらず、である。前の試合であるアスルクラロ沼津とのアウェー戦も0ー4で大敗しており、守備の改善が急務となっている。
少ない好機ものにされる 3分間で連続失点も
序盤は琉球の流れだった。中盤のMF阿部拓馬とMF中野克哉が主な起点となり、ポゼッションサッカーで相手陣地を何度も攻め上がって前半だけでMF岡澤昂星や中野らが7本のシュートを放った。しかし、琉球とは反対にリーグで最も失点が少ない鉄壁の大阪に粘り強く跳ね返された。
すると前半20分、右サイドからのクロスに対してディフェンスラインの裏を突かれ、ほぼフリーの状態でのヘディングシュートで先制を許した。わずか2分後にはDF上原牧人が自陣から左サイドへ出した不用意なパスをカットされ、1本のパスで中央にスルーパスを通されて追加点を奪われた。
後半に入ると運動量が落ち、ペナルティエリア内に進入できる回数が減る。陣形が縦に間延びしてカウンターを食らう場面も増え、後半36分には今度は左サイドからのクロスに頭で合わされてダメ押しの3点目を決められた。アディショナルタイムに途中出場のMF清武功暉が右サイドからのクロスを右足で直接ボレーシュートを放ち、ゴール左隅に決めたが、時すでに遅し。2点ビハインドのまま試合終了のホイッスルが響いた。
喜名監督 守備における「中の準備」を課題に
試合後、喜名哲裕監督に守備の課題を聞いた。
「(失点の原因は)ボールホルダーに対してのプレスも足りないですし、やはりクロスに対しての中の守りの準備はもっと注意しないといけない。集中力を欠いていると感じる部分も少しありました。こういう失点をしているところは本当に変えないといけないと思います」
短時間で連続失点するケースが目立つことについては「雰囲気を変える選手が足りない。野田隆之介がキャプテンで引っ張ってますけど、彼はフォワードです。センターバックやボランチの選手がもっとリーダーシップをとって声を掛けるとかが必要。連続失点して下を向く選手が少し多いので、そこも改善しないといけない」と語った。
「リスク管理」と「ボランチの位置」
指揮官が言及した「中の守りの準備」については、この試合でセンターバックを務めた上原も課題に感じているようだった。「相手陣地でボールを回しながら攻めているシーンが多い中で、やっぱりカウンターは起こり得る。それは自分たちディフェンダーがしっかりリスク管理をしていれば問題ないと思うので、もっと細かく、みんなでコミュニケーションを取りながら対応していきたいです」
一方、最後に一矢報いた清武はボランチの選手のポジション取りを改善点に挙げた。
「チームとして前に前に出ていくところはいいんですけど、リスク管理のところが問題。ボランチがあんなに前に出ちゃうと、パスが引っかかった後のカウンターで全部やられてる。もうちょっと考えてやらないといけない」
特に後半はパスを繋いで前線に攻め上がりながらも、なかなか好機をつくれずに中途半端な形でボールを失う場面が増え、カウンターが直接ピンチになることもあった。清武は、こうも言った。
「もちろんチームが提示したことをやるのが選手ですけど、それだけに縛られず、もっともっと考えながらサッカーをしないといけない。言われたことをやるだけでは意味がない。自主性、アイディアを出しながらやらないと勝つのはきついなと思います」
「1年でのJ2復帰」を掲げながら、後半戦に入った現時点で最下位争いに身を置く琉球。日本フットボールリーグ(JFL)降格の可能性がある19位以下は間近に迫っており、19位のギラヴァンツ北九州との勝ち点差はわずかに「5」だ。1試合1試合に強い危機感を持って臨まないと、2年連続での「降格」もあり得ない話ではない。