沖縄での活動に「STOP感染症大賞」 ジャパンハートの隔離施設に高評価

 
表彰を受けるジャパンハートの髙橋茉莉子副事務局長(右)=4月10日、東京都(ジャパンハート提供)

 国際医療NGOの特定非営利活動法人ジャパンハート(東京)が、新型コロナウイルスなどに対する感染症対策の優れた取り組みに贈られる「STOP 感染症大賞」の最優秀賞を受賞した。2021年11月に宜野湾市に設立した要介護濃厚接触者の隔離施設(通称:ラビットハート)の取り組みなど、緊急支援活動が高く評価された。

 STOP感染症大賞は、国土強靭化に関する施策を民間の立場から提言するレジリエンスジャパン推進協議会が主催する「第9回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)」で贈られる賞の一つ。感染症対策の先進的な取り組みや技術などを評価し、広く活用していくため、2020年度に創設された。

要介護濃厚接触者の隔離施設で40人受け入れ

ラビットハートでの活動に従事していた職員(ジャパンハート提供)

 ジャパンハートでは、新型コロナ感染拡大の第一波である2020年4月以降、全国200カ所以上のクラスター病院、施設に看護師などの医療チームを派遣した。

 ラビットハートでの取り組みは、介護施設などでクラスターが発生した際、施設側が感染者だけでなく、濃厚接触者となった入所者の対応にも追われる実態があることを受けたもの。施設の負担を軽減し、早期の感染拡大を食い止めることを目的に開始した。

 施設にはジャパンハートの看護師が常駐。沖縄県とも連携した上で、保健所から濃厚接触者と認定された高齢者や、医療的ケア児の受け入れにも臨機応変に対応した。開所から2022年9月までに計40人を受け入れた。

ラビットハートでの活動の様子(ジャパンハート提供)

 今回の受賞を受け、ジャパンハートの髙橋茉莉子副事務局長は「行政にも企業にもできない支援を目指して感染症対策に全力で取り組んできた民間団体として、大変光栄に思うと共に、今後起こり得る自然災害や新たなパンデミックの発生時にも社会からの期待に応えられるよう、体制強化に尽力してまいります」とコメントした。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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