沖縄有効求人1.13倍   1月求人数は過去最多

 
2023年1月の県内雇用情勢について説明する沖縄労働局の西川昌登局長=3日、県庁

 沖縄労働局の西川昌登局長は3日、県庁で会見し、2023年1月の県内有効求人倍率(就業地別・季節調整値)は前月比0.03ポイント上昇の1.13倍だったと発表した。雇用情勢の改善を示す基準となる「1倍」を超えるのは6カ月連続。月間有効求人数(原数値)は3万5042人で、就業地別の統計を始めた05年2月以降、1月として過去最高となった。

 同局では、県内の雇用情勢について「求人が求職を上回り改善が続くが、物価上昇等が雇用に与える影響に注意する必要がある」と判断している。

 西川局長は会見で「全国旅行支援などによる旅行需要の喚起や、プロ野球キャンプなどのイベントもあり、観光関連産業を中心に企業からの新規求人数が堅調に伸びている」と分析。その上で、ハローワークからの情報では2月についても改善の動きが継続していると聞いていると説明した。

 正社員の有効求人倍率は0.72倍で、コロナ禍前の20年1月(0.68倍)を上回っているほか、正社員新規求人数は前年同月比26.2%(951人)増の4577人で、就業地別で確認ができる19年1月以降で過去最高となった。

 西川局長は、人手不足が続く県内の雇用情勢の中で、正社員の求人数が伸びていることから、求職者に対しては「正社員の雇用機会が拡大しているので、ぜひチャレンジしてほしい」と呼び掛けた。

 また、求人条件や処遇の改善が加速していることも踏まえ「(コロナ禍後)単にV字回復したのではなく、質を伴った回復をしている」と分析した。

 県内に5カ所あるハローワークの就業地別有効求人倍率(全数・原数値)は石垣が2.64倍で最も高く、宮古が2.30倍で続いた。そのほか、名護1.58倍、那覇1.15倍、沖縄1.07倍となった。

 厚生労働省では、毎年1月末に季節調整値(毎年決まった時期に起こる事象や季節的特性などの動向を考慮し、その変動を取り除いた値)を算出する際の指数を改定し、直近5年間分の結果を再計算している。季節調整値替えの結果、新しく決まった指数に基づき算出された22年12月の有効求人倍率は、1.08倍から1.10倍に改定された。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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