100社以上が”自慢の商品”売り込む 10回目の国際商談会「沖縄大交易会」
- 2022/11/28
- 経済
10回目の節目を迎えた国際食品商談会「沖縄大交易会2022」(同実行委員会主催)は11月24、25の両日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで対面式の商談会を開いた。2日間で100社以上に及ぶ県内外のサプライヤーが自慢の商品を売り込み、114社のバイヤーが参加した。コロナ禍でノウハウを積み重ねたオンライン形式での商談会は8月から始まっており、12月23日まで行われる。
”万国津梁”の精神で物流ハブ促進
沖縄大交易会は、沖縄の国際物流拠点化(国際物流ハブ化)を促進することにより、日本全国の特産品などの海外販路拡大に資することが開催の目的。催し名のネーミングは、14~16世紀に当時の琉球が日本や中国、東南アジア諸国との中継貿易で栄えていた時代を「大交易時代」と呼ぶことにちなんだもの。500年以上前に首里城正殿に掲げられていた「万国津梁の鐘」に記された交易を通して世界の架け橋になることを目指している。
2013年に始まり、毎年多数の海外バイヤーも参加する国内最大級の商談会として知られる。昨年の第9回は今回と同じくリアルとオンラインのハイブリッド開催となり、リアルでは32都道府県から105社のサプライヤーと、輸入商社29社、国内29社のバイヤーが参加。867件の商談が行われ、成約率は21.6%(成約40件、成約見込み147件)と高い数値を記録した。
商談ブース94カ所「販路拡大を」
対面商談会の初日となった11月24日にはオープニングセレモニーが開かれ、小禄邦男実行委員長は「回を重ねるごとに全国の特産品が沖縄の物流ハブを活用し、アジアへ展開されるようになってきました。大交易会を存分に活用し、販路を拡大してもらえたら幸いです」とあいさつ。玉城デニー知事は「この機会を通して、沖縄の豊かな自然や独自の伝統文化にも触れ、国際色あふれるリゾート地としての魅力も感じていただければ幸いです」と語った。
対面商談の会場となった沖縄コンベンションセンターの展示棟には商談ブースが94カ所設置され、休憩を挟みながら個別、フリー商談が活発に行われた。国内各地の自治体や企業、経済団体などのPRブースも27カ所あり、多くのサプライヤーが足を止めて出店者から商品の説明を受けていた。
商品の魅力前面に ウェルネス認証制度などもPR
山口県の下関市は、PRブースで市内の業者が作った蜂蜜や明太子などの特産品を展示。廣田養蜂場の蜂蜜「セラーエイジドハニー 極シリーズ」は1年のうちで1日だけ、最も香りやコクに優れたタイミングで1種類の花から採れた単花蜜だという。
下関市立大学経済学部の2年生で、実習の一環で商品を売り込んでいた沖本なつさんと内西佐織さんは「下関のいいものを国内外に出していきたいです」と意欲を見せた。
沖縄県健康産業協議会のPRブースでは、同会が沖縄の自然、伝統、文化の恵みが生かされ、健康科学の裏付けと確かな品質管理の下で開発された商品を認証する「WELLNESS OKINAWA JAPAN(ウェルネス・オキナワ・ジャパン)」をPRした。
これまで沖縄特有のフルーツや薬草などを使ったさまざまな商品を認証してきたが、その中でも「琉球潤果茶」(カタリスト琉球)、「アセローラフレッシュ・ドリンク」(アセローラ・フレッシュ)、「発酵発芽玄米 紅麹あまざけ」(マキ屋フーズ)の3商品は審査員が全会一致で認めた「プレミアム認証」を受けている。
認証制度のPR役を務めた荻堂裕さんは「沖縄のいろんないいものを、エビデンスを基に評価して販促を後押ししたいです。そのために認証マークをもっと知ってもらいたいと思っています」と話した。