キングス、B1の過去最高勝率更新が確定 広島に81ー77
- 2022/5/7
- エンタメ・スポーツ
プロバスケットボールBリーグ1部西地区で優勝を決めている琉球ゴールデンキングスが、今季あと1試合を残して、B1の過去最高勝率を更新することが決定的となった。
7日に沖縄アリーナで西地区の広島と対戦したキングスは81ー77で接戦を制し、現時点の通算成績は49勝6敗。レギュラーシーズンの最終戦となる8日の広島戦で負けた場合でも最終的な勝率は8割7分5厘となり、18-19シーズン(3地区制)に千葉が東地区で記録した過去最高勝率の8割6分7厘を上回ることが確定した。
今季で地区5連覇となるキングスのBリーグ過去最高勝率は、昨季2020ー21シーズンの7割1分4厘(40勝16敗)だった。
負傷者続出も満原らカバー
試合は序盤から一進一退となったが、第1Q残り2分35秒でキングスをアクシデントが襲う。ゴール下のリバウンド争いで、広島のグレゴリー・エチェニケの手がジャック・クーリーの顔面に接触し、倒れ込んだクーリーはそのまま交代。自力で歩いてコートを後にしたが、その後プレーすることはなかった。
同じく主力のアレン・ダーラムもコンディション調整で欠場していたため、ビッグマンの満原優樹や特別指定選手の松本礼太の出場時間が増加。2人ともキングスの信条である激しい守備や攻撃でのボールシェアを貫き、主力が不在の中でも相手にペースを握らせない。
最後は試合時間残り2分29秒で今村佳太のスリーポイントシュートで同点に追い付き、さらに1分34秒で並里成もスリーポイントを沈め、勝ち越して逃げ切った。
桶谷大HCは「今日も苦しい状況の中、選手が頑張ってくれた」と納得の表情。「選手達は自分達のやりたいコンセプトを理解した上で、プレーをやり切るという事を忠実に続けてくれたので、今日は劣勢になる部分は多々あったのですが、慌てずに混乱せずにやりきった点が、最後の結果につながったと思います」と振り返った。
改めて層の厚さを見せつけたキングスに対し、広島のエースガード辻直人も「相手はフルメンバーが揃ってない中で、勝たないといけない試合だった。地区優勝を決めているチームだけあって、誰が出てもカバーできるチーム力はさすがだなと思いました」と称賛した。
CSに向け存在感増す「小寺さん」
チーム最長となる30分22秒出場したのは帰化選手の小寺ハミルトンゲイリーだ。いずれもチームトップの12リバウンド、5アシストを記録したほか、ディフェンスでのヘルプやオフェンスでのフロアバランスの維持など「縁の下の力持ち」としても勝利に貢献した。
クーリーやダーラムを念頭に「自分が長い時間プレーできたことでみんなを休ませることができたし、必要とされる役割で勝利に貢献できました」と淡々と振り返った小寺。回りを生かすプレースタイルと同様に、会見でもチームメートの活躍に触れ「満原も(勝利に貢献する)大きなプレーを見せてくれて、評価に値すると思う。層の厚さがあるからいい結果が残せると思っています」とチーム力を誇った。
5月13日に初戦を迎えるチャンピオンシップ(CS)では有力な帰化選手を抱えるチームが多く、ゴール下の激しい主導権争いが予想される。身長206センチで高いリバウンド力を持ちながら、視野の広さも兼備する小寺はキングスのCSの結果を占うキーパーソンの1人だ。
小寺は「CSに向けてチームとして良い準備ができているので、(チームを)支えていきたい」と存在感のある”黒子役”に徹する。玄人受けするプレーに対し、指揮官も「本当に彼がいてくれて良かったと思います。守備の駆け引きがうまくて、ヘルプディフェンスもしっかりしてる。パスセンスもあって、回りの選手もやりやすいと思います」と厚い信頼を寄せる。
ファンから「小寺さん」の愛称で親しまれる小寺。CSでもチームを力強く支えてくれそうだ。
CS初戦の相手決定は最終戦に持ち越し
キングスのCS初戦となる準々決勝の相手は、8日に行われるレギュラーシーズン最終戦まで確定が持ち越しとなった。
6日までにキングスの相手となるワイルドカード下位に入る可能性があるチームは勝率が高い順に三河、渋谷、秋田の3チーム。7日は三河と渋谷が負け、秋田が勝利したことで、依然として3チームにCS進出の可能性が残った。
最終戦は、三河は勝つことが条件となり、渋谷は三河が負けて渋谷が勝った場合、秋田は三河と渋谷が負けた上で勝利すればそれぞれCS進出が決まる。
岸本隆一は「どこも侮れないチーム」としながらも「実際は相手がどうこうじゃない。自分達がなすべきことをやれば、結果が付いてくるという自信はある」と言い切る。ただ、渋谷は元キングスHCの伊佐勉氏が率いる。対戦したい相手を問われた岸本は「公言はできないけど、さっきは千葉対渋谷を見てました」と含みのある笑いを浮かべた。