沖縄⇔ウクライナ直接質疑 映像で現地「祈りや金銭支援を」
- 2022/3/24
- 国際
ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、ウクライナの歴史や文化を知るトークイベント「Voice of Ukraine ~きく、しる、平和をいのる~」(主催・多文化ネットワークfuふ!沖縄)が3月12日、沖縄市産業交流センターで行われた。
ウクライナ出身で沖縄県在住のアラ・コバルチュークさんが故郷の現状や歴史背景を解説した他、ウクライナに住む男性とビデオ通話で会場をつなぎ、参加者は現地の様子や人々の思いについて直接質問を投げかけた。
コバルチュークさん「ウクライナは独裁者を求めていません」
コバルチュークさんは、ウクライナの主要港湾都市・オデッサの出身で、首都キエフにも9年間住んでいたことがある。
「21世紀において、第二次世界大戦のようにロシアが爆撃をしてきたことが、とても信じられませんでした。現在でもこんなことが起こるなんて。産婦人科医院も爆撃をされているひどい状況です」と、祖国の現状に降りかかる惨状に怒りも悲しみもあふれ出す。
「プーチンはウクライナを獲得したいのでしょうが、どんな国に住みたいかは国民自身が決めることです。ウクライナは独裁者を求めていません。ソ連時代には戻りたくありません」
ウクライナ国内とビデオ通話で質疑応答
ロシア国境に近いウクライナ第二の都市・ハリコフに住むミコラ・デニソフさんが、ビデオ通話で会場からの質疑を受けた。以下、一問一答。
Q.現状が悪化する心配はありますか?
A.軍事施設があるので「ウクライナ軍に守られている」という安心感はあります。ウクライナの中でもロシア系住民が多く、ロシア軍はハリコフを重要視しているでしょう。
Q.逃げようと考えたりはしますか?
A.思いません。家族、特に高齢者などがここにいます。私たちには守るべきコミュニティがあるので、逃げることはできません。
Q.子どもや妊婦もやられています。原発もやられています。ウクライナの人たちは逃げられる状況ですか?
A.国際社会に支えられて、戦争は膠着状態にあります。核施設を(放射能の影響が出るまで)攻撃することはあまり考えられません。そうなると第三次世界大戦が始まってしまうでしょう。ロシアが何らかの口実で核兵器を使わないように望んでいます。
Q.日本に住む私たちには何ができるのでしょうか。
A.まずは祈りをささげてください。あとは募金です。金銭的な部分での支援をお願いします。
Q.ゼレンスキー大統領に対してどう評価しますか。
A. 私たちは完全に彼を支持しています。コメディアン出身だということで、政治家としての評価を当初は下せませんでした。経済も落ち込んで失望していました。しかし今は大統領自身が先頭に立って、他国にも逃げずに勇気を見せています。私たちはヨーロッパ側に立って民主主義の国になりたいのです。今は支持率も93%となっていて、次の選挙でも続投は確実でしょう。