衆院沖縄選挙区「2勝2敗」でオール沖縄に衝撃
- 2021/11/3
- 政治
10月31日に投開票された衆院選は、沖縄の4選挙区で政権与党の自民党候補と、玉城デニー知事を支える「オール沖縄」の候補が2議席ずつを分け合う結果となった。特に米軍基地問題で揺れる名護市辺野古を抱える3区では、自民新人が辺野古移設に反対する前職を破って議席を奪還する波乱が起こった。オール沖縄勢は、立憲民主党から出馬した2人が敗れて比例復活もできず、その退潮を印象づけた。超短期決戦となった選挙を振り返る。(敬称略)
2勝2敗 議員数は「4対2」に
まず、あらためて開票結果を振り返ろう(◎は当選、★は比例復活)。
沖縄1区
◎赤嶺政賢(共産) 61,519
★國場幸之助(自民) 54,532
下地幹郎(無所属) 29,827
沖縄2区
◎新垣邦男(社民) 74,665
★宮崎政久(自民) 64,542
山川泰博(維新) 15,296
中村幸也(NHK) 3,053
沖縄3区
◎島尻安伊子(自民) 87,710
屋良朝博(立民) 80,496
沖縄4区
◎西銘恒三郎(自民) 87,671
金城徹(立民) 72,031
1区では赤嶺が8期目の当選で2014年、17年に続き共産の全国唯一となる選挙区の議席を守った。17年との得票数を比較すると赤嶺が914票増、國場はほぼ横ばい、下地は4388票減だった。一部経済界を中心に國場、下地の保守系候補一本化を模索する動きが公示直前まで続いたが不発に終わり、赤嶺が漁夫の利を得る形となった。
2区は新垣が、03年から6期連続で社民の議席を死守した照屋寛徳の後継として初当選。今衆院選で社民の全国唯一の議席を得た。ただ、照屋が17年に集めた92,194票から1万7529票減らしている。宮崎の得票数は17年からほぼ変動はなく、前回より惜敗率が上がり比例復活を遂げた。
19年補選と同じ一騎打ちとなった3区は、島尻が14市町村のうち12市町村で屋良の得票を上回り、雪辱を果たした。島尻は大票田の沖縄、うるま、名護の3市でも屋良より多くの票を掘り起こしている。屋良は比例復活に望みを託したが、九州の他県で当選が見込まれた立民候補が相次いで接戦で敗れ、比例当選者の次点で落選が決まった。
4区は西銘が優位に選挙戦を進めて6選。この4年で、4区に含まれる豊見城や南城、糸満、宮古島の各市長選で現職の自民系候補が相次いで落選し、西銘の影響力低下もささやかれたが、10月4日に発足した岸田内閣で沖縄北方担当相に就任したことも追い風となった。金城徹は知名度不足を克服できず、比例復活にも遠く及ばなかった。
自民とオール沖縄が対決する構図が始まった14年衆院選はオール沖縄の4勝、17年は3勝1敗だった。21年は2勝2敗となり、4選挙区の合計得票数でみると自民がオール沖縄を上回った。比例復活を含めた議員構成は「4対2」で、自民の巻き返しは鮮明になっている。