沖縄県の玉城知事、衆院選結果「厳粛に受け止める」

 
衆院選の結果について記者団の質問に答える沖縄県の玉城デニー知事=1日、県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は1日、10月31日に投開票された衆院選の結果を受け、県庁で記者団の質問に答えた。玉城知事は、オール沖縄勢力と自公候補が県内小選挙区で2勝2敗となったことについて「選挙は有権者の判断、審判によるものなので、その結果については当然厳粛に受け止めたい」と語った。一方で、オール沖縄勢力が弱体化することはないとの見方を強調した。

 玉城知事と記者団とのやり取りは、以下の通り

―特に自身が戦ってこられた沖縄3区での結果はどう受け止めているか

 勝因敗因はやはり、それぞれ分析を細部にわたってする必要があると思うが、現下のコロナウイルスからの経済の回復や次期振興計画など、さまざまな点で有権者の関心がそちらの方に大きかったと思う。

 3区の両候補とも、それについては有権者にしっかり訴えていたが、その訴求の状況が、それぞれによって受け止められ方が多少、その、濃淡があったのかなと思う。

―名護市長選や県知事選にどのような影響を与えると考えるか

 一つ一つの選挙の結果を真摯に分析して、何が届いていたか、何が届いていなかった、態勢はどのような態勢がとれていたか、とれていなかったか。具体的な選挙の手法については十分だったか落ち度はなかったか。そういう分析をしながら、それぞれの選挙で何を争点にするのかという設定も出てくると思う。

 そこは、これからの各地の選挙に向けては、そういう意識で私も関わっていけたらと思う。

―選挙戦で名護市辺野古の基地建設について、議論は深まったと考えるか

 多くの県民の皆さんは、辺野古の新基地建設については反対という思いは、やっぱり強かったと思う。昨日の出口調査でも、61対39ぐらいかな、そういう出口の調査結果もテレビで報道していたので、やはりある程度、「辺野古は反対です」という人は依然として多いだろうと思う。

 ただ、先ほど申し上げた通り、今回は辺野古が争点というより、どちらかというと、コロナの影響を受けて非常に厳しい状況にある生活、教育、業界などについて、国と県がやはり協力して経済対策をしっかりやってほしいということの要望が強かったのではないかと受け止めている。

―(自公候補の島尻安伊子氏が当選した)名護市を抱える3区の結果をもって辺野古容認の民意が出たと見る向きもあると思うが

 それについては、1区、2区の候補者は明確に辺野古反対を訴えて当選した訳なので、そこは、それぞれの選挙区によっての優先課題などの判断、有権者の判断の違いが出たのだろうと思う。

 しかし、先ほど申し上げた通り、辺野古の問題は普天間基地の一日も早い危険性の除去から考えると辺野古の移設は負担軽減にならないと多くの県民の皆さんがしっかり声に挙げていると思う。そこは、全くぶれることはないと私は捉えている。

―今回の結果をもって、県政のコロナ対策への評価が下されたと考えるか

 評価というよりも、私はこの選挙期間で説明する時間をいただいたと思う。これまで県がどのように取り組んできたか。政府とどのように協議していたか、コロナの状況は感染症対策も含めて今後の経済対策も、しっかりと総力戦でやっていくべきだろうということは、どの候補者も語りかけさせていただいた。

 取り組みのまずさとか、何かそういうような、欠点を付いているような反応は、私は特に感じていなかった。

―この結果を見ると、コロナ対策について県政への不満が表れたのではないか

 そこは、私たちは真摯に受け止めたいと思う。県行政への不満は、同時に言うと国政への不満でもある。行政としては、住民の皆さんがどのようなことを求めておられたのか、それに対して我々は十分に役割を果たせたかは、真摯にそれを受け止めて、次に備えて反省すべき点は改善していかなければならないと受け止めている。

―(オール沖縄と自公候補で小選挙区が)2対2という結果になったが、オール沖縄の勢力の勢いは

 私は、オール沖縄は柔軟な体制なので、常にその都度、対応については多くの県民の皆さんの民意をしっかり受け止めようという形で、良い方向で変化していこうという動きは、いつも取っていると思う。

 具体的には、1区では、これまではなかなか語られなかったと思うが、選挙の争点でジェンダー平等や、LGBTの課題を訴えてほしいという若い方々の声に応えて、候補者がそれを街頭でも訴えて、そういうところにも力を入れていきたいと訴えることが出来たとおっしゃっている。

 そういう変容についての寛容性が非常に高いのがオール沖縄の特徴ではないかと受け止めている。どういう勢力がいなくなったとか、誰かがいなくなったとか、そういうことでオール沖縄が弱体化することはないだろうと受け止めている。

―中央では、岸田政権が今結果を受けて本格的に始動し始めると思うが、知事は首相にまた面会を申し入れるのか。また、辺野古移設について改めて岸田さんに求めることはあるか

 今月、関係要路にいろいろな要請行動をすることが日程調整に入っている。その中で、官房長官にも会う案件があるやに聞いている。できれば、選挙が終わった後で忙しい時期ではあるかもしれないが、どのような内容になるかは、これから考えるとしても、総理にも面談を要請できるタイミングがあれば、是非、要請をしたいと思う。

―移設中止も、変わらず求めていくか

 それも内容に含まれると思う。全体的な振興計画や個々のコロナの経済対応、それから当然だが辺野古の新基地建設は中止して対話に応じてほしいとか、総理に対しては個別具体の課題というより、沖縄全体の課題をお話して、是非、真摯にそれぞれ対話をさせていただきたいというような形になるのかなと思う。

―設計変更の結果を示す時期は

 ずっと審査を行っているので、その審査の状況も見ながらということになろうかと思う。


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