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【教員免許更新制度廃止へ③】失敗に学んで教員の資質向上策を
- 2021/9/18
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思い切った萩生田大臣の決断力
一度決めたら止まらない。ひとたび創設された制度を簡単にひっくり返すようなことはせず、工夫改善を重ねながら目標達成を目指す地道な姿勢は、日本の行政の大きな特徴の1つといえるでしょう。しかし、小さな改善を繰り返すだけでは乗り越えられない大きな壁もあります。制度そのものを根本的に見直す場合には、どうしてもトップ=大臣の政治的な決断力と推進力を必要とします。萩生田大臣は今回、免許更新制を止めるという思い切った決断を下しました。何かを「新たに作りだす決断」とは違い、今ある制度を「止める決断」には多くの困難が伴います。政治家として、組織のトップとして、制度の非を認めて旗を降ろすことは容易ではありません。
強い批判を浴びた大学入試改革の見直し(大学入学共通テストでの英語民間試験や記述式問題の導入の見送り)と同様、免許更新制の廃止も、萩生田大臣こそ成しえる「止める決断」だったのではないでしょうか。
“教員のために”必要な仕組みは何なのか、という視点
大臣の決断力も後押しとなって、免許更新制は廃止の決定に至りました。効果に乏しく、現場の不満も大きい制度でしたので、思い切って止める決断がなされたことは評価できるでしょう。しかし、この先も教員の資質向上が必要であることは言うまでもありません。教員を巡る環境が一層厳しくなる中、いま必要なことは、「成長しようと頑張る教員のために」、あるいは「厳しい環境でも成長を志すモチベーションを引き出すために」という根本的な視点です。
何度も繰り返されてきた小さな議論を乗り越えて、根本的な目的意識を柱に据えて新たな仕組みを検討していってもらいたい。そう願ってやみません。