0歳の娘を育てながら大学院に通う玉城円さん 妊娠中に受験

 

 「大学卒業間際からただただ憧れで行きたかった大学院ですが、まちづくりやキャリア支援に携わって、ここ数年は自分自身の役割や組織における持続可能性、活動を続けている第三セクターの真髄とはなにかと悶々と考え続けていました。社会人経験や仕事を通じてさらに強く大学院に行きたいと思うようになった」

 今年4月から大学院に通う円さんは、週に3回、非営利組織や福祉課題、社会デザインについての授業をオンラインで受講し、育児と家事は夫と役割分担をしている。パソコン画面を通したゼミは、同期や先輩達の子連れの大学院生の画面に子どもが一緒に映りこんだりと和やかな雰囲気で「オンラインと対面のハイブリッド型授業で進んで、先生方が親切・丁寧でありがたい」と話す。

オンラインで大学院の授業を受講する円さん(本人提供)

学ぶことは権利「妊娠出産を経ても学びを止めない」

 通常であれば、大学院に通学するには、東京移住か沖縄と東京の行き来をしないといけないが、コロナ禍により大学院ではビデオ中継されたオンライン授業と、ビデオ録画されたオンデマンド授業の両方を実施している。

 円さんは、結婚と子育てで東京に移住はできないと県外への進学を半ば諦めていたが、オンライン導入に「オンラインじゃなかったら院の進学を諦めていたし、育児が落ち着いた40歳頃になったら沖縄と東京を行き来しながら院に進もうかとも考えていた」と話す。

 さらに、円さんの背中を押したのは、参加した進路相談会・入学説明会での21世紀社会デザイン研究科委員長・萩原なつ子教授の言葉だった。萩原教授から、「ママさん学生もいます。妊娠出産を経ても学びを止めないでください。学ぶことは権利です。人はどんな立場になっても一生学び続けます。研究は楽しいですよ」と温かい言葉をもらった。日本NPOセンターの代表であり、自身も産後入学で子どもを連れて大学院に通った経験を持つ萩原先生の言葉に勇気をもらい、励みとなった。

 また、21世紀社会デザイン研究科は、社会人であっても無理なく学べるようにと講義のほとんどが平日夜間と土曜に開講しているため、仕事との両立もしやすい。

 フルタイムからパートへ切り替えて仕事をしている円さんは、月曜日から木曜日まで週4日30時間働き、金曜日は研究に関する情報収集。平日夜と土曜日に授業を受講し、毎日夜9時以降に大学院の課題をこなしながら研究を進めている。

研究計画書の作成で図書館通い

 今では、育児と研究を両立する円さんだが、妊娠中の受験や産後はどのような生活を過ごしていたのだろうか。

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