【沖縄の一斉休校①】2度目の休校は想定できなかったのか

 
20210422_知事会見_宮古毎日新聞社
玉城デニー知事(宮古毎日新聞社提供)

 さらに、学校や家庭での20歳未満の子供たちの感染が、かつて例を見ない勢いで増え続けていました。特に10歳未満の1週間ごとの感染者数はこの時約2倍に増加。学校や保育施設で相次ぐクラスター、そして部活動の大会でもクラスターの発生があり、専門家たちの間では、学校活動をも制限せざるを得ないというのが大方の認識でした。「休校するのであれば大人も相応の覚悟を見せる必要がある」として、大型商業施設の営業制限などの追加措置とセットで休校を提言することとなりました。

苦渋の決断

 専門家会議は、主に医療関係者が集まって議論する場ですから、当然、感染を抑えるために必要な対策を最優先に、というスタンスで話が進んでいきます。しかし、感染を抑えるために経済活動を制限すれば、その制限による経済的・精神的負担がどれほどかということを考慮し、これを補う対応策もセットで実施することまで検討する必要があります。どこまで制限して、どこまで保障できるか。そこまで責任をもって考えるのが対策本部会議であり、本部長として知事が決断しなければなりません。

 昨年、全国一斉休校を経験しているからこそ、今回の決断はとても重かったに違いありません。休校中の子供たちの学びの保障、居場所の確保、心のケア。そして仕事を休まなければならない保護者の経済的・精神的負担への保障。休校を決断すれば、のしかかってくる課題は山のようにあります。日々の感染状況は知事ももちろん把握していますから、子供たちの感染急増の報告に、いつからか知事の頭にも「休校」という文字がよぎっていたことでしょう。休校を提言した専門家会議の直前にテレビ番組で語った慎重な姿勢は、知事の本音だったのかもしれません。

問題は、1年もの間準備が全くできていなかったこと

 これまでに経験したことのない想定外の感染拡大を背景に、非常時のやむを得ない最終手段として休校措置がとられました。言い換えれば、休校措置がとられずに済むように様々な対策を打ってきましたが、深刻な事態を避けることができなかったということです。

 しかし、休校は全く想定できなかったことでしょうか。昨年にも長期に及ぶ一斉休校を経験しました。あれから約1年の間に、学校や教育委員会は、万が一の休校に備えてどんな準備ができていたでしょうか。何の備えもなかったために、子供たち、保護者たちは、またしても突然休校を迫られ、大きな混乱を招いてしまったといえるのではないでしょうか。

 昨年と同様、オンラインでの学習指導が行われた学校は少なく、多くの子供たちは、課題としての大量のプリントを渡され、大きな負担が家庭に押し付けられてしまったのです。


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【沖縄の一斉休校②】学校オンライン化が遅れる理由|HUB沖縄
【沖縄の一斉休校③】オンライン授業は沖縄の教育課題を埋める|HUB沖縄

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