ママの独立開業をサポート シェア型サロン始動へ 前山結女さん

 

 今では半数以上の家庭が共働き世帯だ。それでもほとんどの家庭では女性が家事や育児の多くを担っている。女性のライフステージにおいて、仕事ありの結婚女性のうち、第1子出産時の女性約3割が離職しているという。仕事と育児の狭間で、仕事と子育てにどう向き合っていくべきか、多くの女性が悩んでいる中、妊娠や出産を機に会社員からフリーランス、起業への道を選んだ女性や育児をしながら新たな挑戦をした女性にスポットを当て、連載で紹介していく。


シェアサロンSivillaを開業する前山結女さん

 今回は、出産後に1歳児を育てながら、那覇市おもろまちに「シェアサロンSivilla」の8月開業に向けて準備を進める前山結女さん(29)=那覇市=。美容師やネイリストなど開業に挑戦する女性向けに、初期費用をかけずに低リスクで実現できるシェアサロンを作り、育児と仕事の両立へ新たな選択肢を提供することでママの独立サポートをしたいと活動している。

 お店を出したい人が月額で個室や共用スペースを借りる。マツエク店や脱毛店などの入居が決まっており、近年一般的になりつつあるシェアオフィスの「美容関係店舗」版ともいえるものだ。

家庭優先で働きたい想いと葛藤

 結女さんは、恩納村のリゾートホテルでマーケティング担当として3年間勤務した後、ホテル・旅館のサポート会社で勤務した。2019年10月に第1子となる長男を出産、数ヶ月後には新型コロナが流行し、コロナ禍での育休を経験した。

 流行初期はコロナに関するコロナに関する情報が少なかったこともあり、0歳児の命を守るのに必死でほとんど外出せず、息子に付きっきりだった。夜泣きも多く、夜中に何度も起きるのは当たり前の日々で、睡眠不足と疲れで日中のほとんどは寝ていた。ある程度自分の時間が取れるようになってきたのは、息子が1歳を迎え夜泣きが減った頃だった。

 育休期間の終わりが近づくにつれて「これからの働き方」について何度も考えるようになった。「家庭を優先するためにフリーで働きたいけど、フルタイムから時短にしたら給料が減る」。結女さんは、仕事と子育ての狭間で葛藤していた。悩みを周りのママ達に話すと、彼女たちも自分と同じ思いをしながら生活していることを知った。

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