「貢献」強調の次期振興計画素案 沖縄の10年間を築けるか

 

 政府が毎年6月にまとめる「骨太の方針」では、去年、「これまでの取り組みの多角的な検証を進めつつ、国家戦略として沖縄振興策を総合的・積極的に推進する」と記されただけだった。わざわざ1項目を割いてモノレールの3両化などを詳細に記した2019年の方針から後退していることは誰の目にも明らかだ。「今年は記述自体がなくなるのではないか」(県庁関係者)との懸念ももっともである。こうした状況の中、4月に開かれた沖縄振興調査会で、小渕優子会長が沖振法について「単純延長はあり得ない」とも述べたことは記憶に新しい。

 改正沖振法の国会審議は来年1月となる見通しだが、今年8月の概算要求までに高補助率や特区を規定した法案の方向性が定まっていなければ、来年度の沖縄関連予算3000億円を確保できるかも危うくなる。予算が2000億円台に減額される事態となれば振興計画の縮小も余儀なくされるかもしれない

 続投が既定路線だった振計策定担当の副知事が退任するなど、すったもんだのあげく素案の公表にたどりついた玉城県政。コロナ禍の対応に追われる中、国との交渉はすでに正念場を迎えている。

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森 創一郎

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1972年生まれ。東京出身。出版社、雑誌社、地方放送局勤務を経て2020年7月に独立。主に経済、交通分野で執筆活動を続けている。私生活では山を愛し、時間をみつけては登山に勤しむ。

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