渋滞解消はゴールじゃない 車中心思考からの脱却を 沖振計にツッこむ〜公共交通編(2)

 

行政・民間の立ち位置と広域化

谷田貝「バスのことで言えば、行政は基本的に『バスは赤字だけど必要だから公的補助をしないといけない』『来年度はどの路線にどれくらいの補助が必要か』というスタンスなんです。街づくりの中でのバスの位置付けという視点はほとんどない。
 そもそも『公共交通』と言っているのに、県内のバスのほとんどはバス“会社”が担っています。別に民間だからいけないとか、全部が全部市営県営にならないといけないというわけではないんです。でも、行政と民間がどういう位置付けでやっていくのかという議論は圧倒的に不足しています。立ち位置が曖昧なままだと次の振計も絵に描いた餅に終わるし、交通の部分ではこの辺は一番解決しないといけない肝の部分だと思います。
 過去にあった数少ないチャンスの1つは、モノレールが走る時の4社統合という話が出たタイミングだったと思いますが、それも逸してしまいました」

平良「連携の面で関連して言えば、広域連携の課題もありますね。例えば高校がない市町村から他市町村に移動する時に、バスを使うとかなりアクセスしづらいというのが各地であります」

谷田貝「市町村境を越えるコミュニティバスというのは少ないですよね。隣の市町村まで行きます、となると『なんでうちの金でやってるのに』という話になってしまう」

石垣「だからそこが県の仕事なんだと思うんですが。交通体系を整備する上では、市町村境に囚われずに計画策定できる主体は県しかないので、振計できちんと交通の広域連携について強調しないといけないと思います」

平良「一方で観光関連とゴミ収集については広域でやっているんですよね。『公共』という面では同じなのに、なぜ交通を広域でやってきていないのか。市町村や関係団体での勉強会とかもしてて、意識のある公務員もたくさんいますが『交通は市町村でやる』という制度になっちゃってるから、地域循環のコミュニティバスが限界というのが現状なんだと思います」

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