琉球古武道をご存知ですか? 全国大会レポート

 

 2010年に発足して沖縄空手、古武道を稽古している24の空手道場団体が集結して、参議院の佐藤正久議員を会長として2015年に一般社団法人となりました。最も大きな行事が年に一度行われる全日本琉球古武道選手権大会です。

 もともとは国際上地流空手道・琉球古武道與儀会館(沖縄県西原町・與儀清会長)が2002年から主催していた全日本琉球古武道オープン選手権大会を引き継ぐ流れで大会開催を継続しています。また、2018年に沖縄県那覇市で行われた「第1回沖縄空手国際大会」の古武道釵(サイ)の部・シニア男子では、全日本琉球古武道連盟専務理事で與儀会館関東本部の漢那安教本部長が優勝したのを始め、同連盟の選手が入賞・活躍しています。

大会の結果は?

 さて、今年4月24日の大会では、棒の部、釵(サイ)の部、組手競技の三種目行われました。

型競技・棒 壮年優勝の横山秀浩選手(與儀会館)

 少年1部(小学3・4年生)から少年2部(小学5年生)、少年3部(小学6年生)、中学生、高校生、一般女子、男子有級、男子有段、壮年、熟年のクラスと幅広い年齢層が参加しての大会です。

 棒と釵の部は、競技選手二人が同時に型を行い、審判員の相対評価によって勝敗が決められます。型の正確さ、スピード、力強さ、呼吸、姿勢、気合などが判定基準となります。トーナメント方式で一番参加者が多いのは、棒の部・中学生クラスで、19選手の参加でした。

 そして、組手競技が本場沖縄で行われている大会でも見られない全日本琉球古武道選手権大会オリジナルの競技です。武器を用いて自由に闘う組手試合をどのように行っているかというと、選手は防具を着用します。面、胴、小手、脛当てを着用した上で安全対策しています。

 硬式組手競技は一般男子で剣道の竹刀の質に近い六尺棒を用います。軟式は少年部でラバー製の安全な五尺棒を用います。競技方法は自由攻防で当て合い面、胴、小手、脛に正確に技が決まったら技ありを取り、三本先取りで勝負が決まります。

組手競技・琉球古武道軟式

 ルールでユニークなのは武器だけでなく突き蹴りも技ありに認められる点です。昨年はコロナで大会が中止となり2年ぶりの開催となった今大会は選手、主催役員たちもいつも以上に大会開催を喜んで臨んでいました。

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