自動車ラリー南米王者は県系・知念選手「次は世界で頂点に」

 

日本でキャリアを開始

 知念選手が本格的にレースに興味を持ち始めたのは20歳の時だった。ボリビアのUTEPSA大学で自動車整備を専攻し、23歳から日本で2年間研修を受けた。東京都の中央・城北開業能力開発センター板橋校の専門学校で自動車整備の技術などを1年間学び、残り1年はレース関係の仕事を見つけ、整備士として働きながらレースに出場していた。出場したカートレースでは優勝歴もあるほどだ。

 日本での経験を「日本の真面目さに慣れるのに時間がかかった。先輩後輩の上下関係が大変だった」と話す。

2019年、南米覇者に

 ボリビアへ帰国後は、レースのチームマネージャーを経験し、2011年からコ・ドライバーのプロとして歩み出した。当時を「経験のある速い選手とは走らせてもらえなかった。苦労することばかりだった」と振り返り、「レースが好きで始め、家族を苦労させた時もある。優勝するまでの道のりは長く、人の信用を積み重ねて、トップクラスのドライバーを乗せるまでに5年かかり、2016年にやっとボリビア選手権で優勝できた」と話す。

 2016年にボリビアラリー選手権で共に優勝を手にしたドライバーのマルコ・ブラシア選手(当時15歳)は、のちの2020年にラリー競技最高峰の「FIA世界ラリー選手権」で優勝するほど、世界的に有名なトップ選手となった。

 知念選手はその後、2019年にFIA南米ラリー選手権で優勝を勝ち取り、南米覇者となった。大会は、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、ボリビアを回って5レース開催され、南米各国から選手が参加。知念選手は、2位に100ポイント差以上の大差をつけて優勝した。

2016年ボリビア選手権で表彰台に立つ知念選手(左)とドライバーのマルコ・ブラシア選手(右)=知念選手提供
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