「ペットはモノじゃない」迷い犬猫情報をインスタで発信
- 2021/3/17
- 暮らし・子育て
処分・収容は減少傾向
沖縄県動物愛護管理センターが公表している2014~2018年にかけての統計では、犬猫の収容・殺処分数は減少傾向だ。殺処分された犬と猫の合計は、以下のように推移している。
・2014年:4,250頭
・2015年:3,292頭
・2016年:1,532頭
・2017年:1,421頭
・2018年: 898頭
ちなみにピーク時は1996年に24,257頭が殺処分されており、これに対して2018年の898頭は96%減。年を経るごとに着実に数は減少しているが、殺処分がゼロにならない限り課題は残り続ける。
県は新たな「動物愛護管理推進計画」を今年2月末に策定し、来年度初めの公開に向けて調整中だ。
計画の素案では、殺処分について、治癒の見込みがない病気にかかっていたり、攻撃性が高かったりして譲渡に不適と判断され処分に至るケースを指摘。飼い主への適性飼養を改めて呼びかけることで、収容頭数自体を減らしていくことの必要性など、動物愛護管理について多くの課題が挙げられている。
飼い主探しが困難な現状も
インスタでの更新を始めて、フォロワーや拡散された投稿を見かけた人たちから気になる犬についてのメッセージをもらい、引き取り手が見つかったことも何度かあった。
「このパターンが1番嬉しいし、やってて良かったと思う瞬間です。幸せに暮らせるこたちが1頭でも増えたということなので」(宮城さん)
また、動物保護に関心を持つ影響力ある人がうえみやアカウントの情報をシェアし、一気にフォロワー数が増えたこともあった(本記事更新時:フォロワー数は1090人)。
しかし一方で、課題もまだまだある。
まず、愛護センターがアップしている画像が1枚だけなので特徴が分かりにくい可能性があること。加えて、保護動物が負傷している場合には撮影を控えて画像が載らず、そもそもどんな犬なのか、猫なのか分からないということもある。
「フォロワーさんから『別の画角の写真はないの?』とか、ケガしてるこについては『なんで写真がないの?』と問い合わせを受けることが結構あるんです。本当は私たちで直接写真を撮りに行きたいんですけど、なかなか手が回らなくて…」(上地さん)
また、保護された動物がボランティア団体に預けられた場合には、どの団体に行ったのかを追うのが難しい現状がある。さらに、迷い犬や猫として保護されても、首輪をつけたまま捨てられた可能性もあるため、飼い主探しと里親探しとの判断をしている間に殺処分のタイミングを迎えてしまうこともある。
「本当は『#里親』でタグ付けして検索しやすくして、たくさんの人に見てもらうチャンスを広げたいんですけど、もしかしたら本当の飼い主さんが現れるかも、と思うとなかなか難しいです。でも、そうこうしてるうちにワンちゃんやネコちゃんたちが処分されることもあって、悩ましいところです」(上地さん)