”関係人口”の増加を!名護以北に特化した「やんばる経済新聞」が始動 FMやんばる

 
やんばる経済新聞をPRするFMやんばるの新城拓馬社長=1月、名護市宮里の同社

 名護市のコミュニティFM「FMやんばる」(87.7MHz、新城拓馬社長)が、新事業のウェブニュースサイト「やんばる経済新聞」をスタートさせた。地域の話題やグルメ、イベントなど多彩な情報をタイムリーに伝え、地域のつながりを生むことが狙い。さらに市外への発信を通して、地域に関わる人を示す「関係人口」を増やすことも大きな目的の一つだ。

7人のライター陣がタイムリーな情報を!

 スタートは昨年の12月24日。これまでラジオで話す内容の情報源は行政や地元紙に頼っていたが、これを機に新城社長を編集長に据えて社内に報道部を立ち上げた。男女7人のフリーライターが自ら取材して記事をまとめる。ライター陣は20~60代まで幅広い年齢層のメンバーが揃う。取材エリアは名護市に加え、今帰仁村、大宜味村、国頭村、東村、宜野座村を含めた名護以北としている。

 連日のように新着記事がアップされ、最近では1月31日にあったプロ野球北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督主催の「花火ショー」や、2月5日に名護市民会館で3年ぶりに開催された格闘技イベント「山城グループ presents レキオバトル名護 vol.5」の告知、今帰仁村の古宇利島にオープンした海洋プラスチックで作るアート工房「FACTORY & SHOP TRUE BLUE OKINAWA」の紹介など様々なジャンルの情報が並ぶ。今後は観光客向けのスポット紹介なども行う予定だ。

即時性、信頼性、ローカルに特化が強み

やんばる経済新聞のサイト。やんばるに特化した多彩な情報が並ぶ

 やんばる経済新聞が始動する以前にやんばるの地域情報を伝えていたのは、主に地元新聞の琉球新報と沖縄タイムスが週に1日設けているやんばるに特化した地域面と、名護市では月1回発行される広報誌「市民の広場」だった。しかし、新城さんは「それだけだと、どうしてもタイムリーな情報を市民に届け続けることができません。SNSで情報を取ることはできますが、個人が発信する情報はどうしても信頼性が低いという課題があります」と指摘する。

 その上で、コミュニティFMは総務省から認可を受けた放送局であることを念頭に「私たちは地域唯一のローカルに特化した公認メディアだと言ってもいいのかなと思います。地域のことは地域のコミュニティラジオ局が一番知っているという自負があります。即時性、ローカルに特化していること、信頼性が高いこと。この三つが私たちの特徴です」と強みを説明する。

「市外、県外の方に愛してもらう」

 即時性を求めるのには理由がある。「例えば市民向けのセミナーやイベントの参加率を上げれば、街づくりや行政への市民参画を促すことになり、より繋がりのある地域がつくれるということになります」と話す新城さん。さらにもう一つの狙いは、関係人口の増加だ。

 「ここに在住していなくても、やんばるに興味がある方はたくさんいると思います。FMやんばるのヘビーリスナーは市外、県外にもいて、年に1回は必ず県外から旅行で来る人もいます。日本ハムファイターズの繋がりなどで、私に会いに来る人も1年で30人くらいはいます。もし名護市の人口約63,000人が一人当たり30人を呼べたら、すごい観光の集客力になりますよね。そのための繋がりをつくり、やんばるに関係する人口を増やすことをとても重要視しています」

 場所を問わず、どこからでも閲覧できるウェブニュースサイトが媒介して、地域の人たちと市外、県外との繋がりを構築する。そして、そこから生まれる交流が地域を活性化させる。そんな未来を描く”やんばる愛”たっぷりの新城さんは、笑顔で決意を語った。

 「やんばる経済新聞で発信する情報を通してやんばるという地域を愛してもらい、ファンになってもらい、もっと好きになってもらう。効果が出るのはこれからだと思いますが、そこを目指していきたいです」

★情報提供や取材依頼の問い合わせは、FMやんばるまで。

Tel:0980-54-1515

Mail:info@fmyanbaru.co.jp

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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