“配信型結婚式”は双方向に進化 離れていても巨大画面で一体感
- 2021/3/15
- 新型コロナ・医療
リモートで参加した新婦友人の伊野波茜さん(34)は式後「もちろん、直接式場で会えないのは残念ですが、感動の度合いは普段の結婚式と同じぐらいありました。(リモート参加者も)みんなとても泣いていて、3時間の配信が短く感じました。新郎新婦の様子が常に映されているので、見やすさもあったと思います」と話す。
式場で実際に出席した人々からは「すごいな」「最先端だな」との声も聞かれた。
当初は「無理だ」とも
平良夫妻は本来、2020年7月11日に結婚式を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが利かない現状から延期に。それから半年以上も経つ翌年3月にはさすがにコロナが収束していると期待して、海外からの人も含めた約400人を招待するはずだった。
しかし予定日の約1カ月前になっても状況は好転しないままだった。自分たちの晴れの舞台でクラスター発生はどうしても避けたかったことに加え、会場側としても、ソーシャルディスタンスの保持などで一度にたくさんの出席者を式場へと入れることができず、400人規模の式は現実的に厳しいものとなっていた。
最初にオンラインでの開催を提案したのはのぞみさんだ。しかしそれを受けた宗之さんは当初、「無理だろう」と即答したという。宗之さんは「親戚や友人にはZOOMを使ったことがない人ばかりで、難しいと思いました」と戸惑った。コロナが落ち着いたら改めて大きな式をやりたいという思いは、やっぱりあった。
しかしコロナ収束の見通しは立たない。のぞみさんは「新郎新婦の衣装や手紙を読むシーン、(画面越しとはいえ)久しぶりに友人と再会することを楽しむのなら、オンラインでも実現できると思いました」と模索していた。
宮古島の祖父母にも届いた結婚式
宗之さん自らも涙を流すほど感動的で素晴らしい式だっただけに「呼べなかった人がいるのは今でも大きな心残りではあります」とする一方で「宮古島の祖父母が喜んでくれたのはうれしかったです」とオンライン結婚式ならではの成果を話す。90歳近くの高齢で、もともと飛行機での移動も叶わなかった祖父母に、晴れ舞台を見てもらうことができた。
「『こんな時代になったんだね』と言いながら画面を見ていたみたいです。飲まず食わずで3時間も」(のぞみさん)