プロスポーツキャンプ@2月の沖縄 FC琉球2021年の戦い

 
プロの足裁きでU−18を圧倒

 2月1日、プロ野球がキャンプインした。日本の本土が一番寒い時期、温暖な沖縄ではプロスポーツのキャンプがいくつも行われる。プロ野球はおよそ1ヶ月間、プロサッカーは概ね2週間ほどの期間だ。沖縄のサッカーJ2のFC琉球もキャンプを行うが、その期間は1週間、その後は「練習」という形をとる。

 そもそもプロスポーツのキャンプとは「ホームタウンを離れトレーニング環境に適した場所で寝食共に過ごし練習をする」こと。トレーニングに相応しい気温、環境にある沖縄のFC琉球が、自宅を離れキャンプをする理由はどこにあるのか?・・・それは「サッカーがコミュニケーションスポーツ」だからである。

 1月25日にキャンプイン。コロナの影響でよりコミュニケーションが難しい中、1週間共に生活し、日中は練習、夜は映像を使ってミーティングを重ねた。一日まるごと使って「今年はこう戦うんだ」というチームのコンセプトを頭と身体にすり込む作業をしていく。

U−18試合前

 その時間でチームは同じ方向性を持ち、団結する。そのため、沖縄のチームであろうとも1週間のキャンプを必要とし、その後は自宅からの練習に切り替えるのである。

 1月30日のキャンプ最終日、U−18のチームとトレーニングマッチを行った。トップチームは3チームに振り分け、30分の3本勝負。格下相手とは言え、ゲーム前に樋口靖洋監督は「ここまで意識してきたポゼッションを理解し、お互いこういうことをしたいとアピールしてくれ。攻めるディフェンスをして欲しい。相手に食いつかせたら次のプレーでどれだけチャンスが作れるかを考えてプレーして」など、選手にいくつかの要求を課した。

グータッチからゲーム開始

 結果は1-0、2-0、5-0と圧勝ではあるが、この段階は結果ではなく内容が重要である。

 練習後、キャンプ総括を樋口監督に聞いた。「食事もバランス良くとりながらいい環境で過ごせ、トレーニングも追い込めて充実していた」と話した。そして「キャンプはチームとしてのコンセプトを落とし込む1週間。新加入選手はそれを理解し意識を植え付け、これまでの選手たちにはもう一度整理させることが一番の狙い。トレーニングマッチを経て、チームで共有が進みつつあることが確認できた」。と予定通りに2021年のチーム形成ができつつあることを話した。

 課題としては「若干のけが人が出たのは誤算ではある。まだすり合わせが出来ていない部分があるので、少し時間はかかると思うが、それを次の段階で行っていきたい。お互いのタイミング、精度を上げていきたいですね」と付け加えた。

U-18も健闘

 今季、樋口監督は、キャプテンを3年連続上里一将選手(34)に、新しく副キャプテンとして岡﨑亮平選手(28)と市丸瑞希選手(23)を任命した。

 「カズ(上里)はチームのリーダーとして全体を俯瞰(ふかん)してみられる。いい空気を作れる選手だから。副キャプテンは中堅で亮平(岡﨑)若手で丸(市丸)とそれぞれの世代ごとにサポートできたらいいなと思って」。と樋口監督。3人共に、キャンプでは気づいたことをその場で指摘、率先して声を出していた。

笑顔でアップ上里一将キャプテン

 上里選手は「一人でも多くの選手がJ1昇格を意識し、勝つことへのこだわりを持ってくれるようにしたい」と話し、岡﨑選手は「昨年は怪我で迷惑を掛けた。今年はやろう、チームを引っ張って貢献しようと思っていた。役がついたらなおさら。若手の手本になりたい」と意気込んだ。

 市丸選手は昨年途中に期限付きで移籍、今季完全移籍した選手だ。「お、俺?」と最初は驚いたそうだが「J1に昇格するために移籍してきた。絶対に叶えたい。任命されたことで、責任感がでるしもっとやらないといけない。先輩と新加入の世代とのパイプ役として務め、個人的にアシスト10を目指したい」と強い気持ちを語った。

2020年終盤の試合はほぼ先発出場したGK田口潤人選手

 開幕戦は2月28日15時、ホームのタピック県総ひやごんスタジアムで、ゴン中山コーチが就任して注目されているジュビロ磐田と対戦する。緊急事態宣言が継続されている中、観客が入場できるのかどうかなど、詳細は未発表だ。

 しかし、どのような形になろうとも、琉球のサポーター&ファンたちは、心一つに、沖縄を愛し愛されるチームとしてJ1昇格を目指し全力で戦ってくれると信じている。

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相羽 としえ

相羽 としえ

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愛知県生まれ。東海ラジオアナウンサーからフリーアナウンサー&ライターに。スポーツニッポン、中日スポーツなどのスポーツ記者を経て、2017年沖縄与那原町に移住。3年間地域おこし協力隊として与那原の情報発信に務めた。現在もまちづくりなど様々な情報を発信中。

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