首里の聖域から出土120点余 県立埋蔵文化財センターで企画展
- 2021/2/10
- 社会
大龍柱の破片も発見
さらにこの発掘現場からは、1709年に製作され、首里城正殿の階段脇に設置された大龍柱の破片も発見された。重さ約3kg、幅19cmほどあるこの破片は、1945年の沖縄戦で破壊され、さらに戦後、今の首里城公園一帯に1950年開学した琉球大学の造成工事の中、京の内エリアの土中に紛れ込み、奇跡的に発見された。
大龍柱に詳しい西村貞雄(にしむら さだお)琉大名誉教授による去年2月の分析で、去年2月に口が開いている方の阿形(あぎょう)大龍柱の右腕中央から右側胴体部分にかけての破片であることが判明した。また大龍柱は3つの部位に分けてつくられた後に組み立てられたものであることも分かった。この実物も展示され注目されている。
沖縄の文化財に関心を持つきっかけに
120点余りの資料が公開されているこの企画展は、出土品が国指定重要文化財に指定され、かつ首里城跡などが「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコの世界文化遺産に登録されてから20年という節目の年に開催されている。展示内容が詳しく分かるパンフレットも用意されている。首里城の再建に向け議論も工事も進む中、沖縄の文化財に関心と興味を持ってもらおうと、関係者の工夫と思いが込められた展示は3月21日まで開催されている。
〇沖縄県立埋蔵文化財センター
〒903-0125 西原町字上原193-7
TEL 098-835-8752(午前9時~午後5時)
休所日 月曜・国民の休日