首里の聖域から出土120点余 県立埋蔵文化財センターで企画展

 

大龍柱の破片も発見

 さらにこの発掘現場からは、1709年に製作され、首里城正殿の階段脇に設置された大龍柱の破片も発見された。重さ約3kg、幅19cmほどあるこの破片は、1945年の沖縄戦で破壊され、さらに戦後、今の首里城公園一帯に1950年開学した琉球大学の造成工事の中、京の内エリアの土中に紛れ込み、奇跡的に発見された。

 大龍柱に詳しい西村貞雄(にしむら さだお)琉大名誉教授による去年2月の分析で、去年2月に口が開いている方の阿形(あぎょう)大龍柱の右腕中央から右側胴体部分にかけての破片であることが判明した。また大龍柱は3つの部位に分けてつくられた後に組み立てられたものであることも分かった。この実物も展示され注目されている。

沖縄の文化財に関心を持つきっかけに

 120点余りの資料が公開されているこの企画展は、出土品が国指定重要文化財に指定され、かつ首里城跡などが「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコの世界文化遺産に登録されてから20年という節目の年に開催されている。展示内容が詳しく分かるパンフレットも用意されている。首里城の再建に向け議論も工事も進む中、沖縄の文化財に関心と興味を持ってもらおうと、関係者の工夫と思いが込められた展示は3月21日まで開催されている。

〇沖縄県立埋蔵文化財センター
〒903-0125 西原町字上原193-7
TEL 098-835-8752(午前9時~午後5時)
休所日 月曜・国民の休日

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1

2


関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ