沖縄県で高病原性鳥インフルエンザ疑い例確認

 
沖縄県特定家畜伝染病防疫対策本部会議=15日、沖縄県庁

 沖縄県は15日、沖縄本島金武町の養鶏農場から鶏の死亡が増加しているとの報告があり、簡易検査で陽性を確認したと発表した。同日、県は高病原性鳥インフルエンザの疑いがあるとして、県特定家畜伝染病防疫対策本部会議を設置した。現在、家畜衛生試験場で遺伝子検査を行っており、16日午前6時に結果が判明する見通し。高病原性鳥インフルエンザの陽性が確定すると、沖縄県内では初確認となる。

 同農場では、約4万5000羽の採卵鶏を飼養しており、県によると9日に259羽の死亡を確認してから、14日までに計7529羽が死んでいたという。簡易検査では、死亡鶏11羽中10羽から陽性を確認したほか、生鶏でも2羽中1羽が陽性と判明した。

 遺伝子検査の結果などから、農林水産省が今回の事例を高病原性鳥インフルエンザの疑いがある「疑似患畜」に認定すると、16日午前9時から殺処分を開始する。原則的には疑似患畜認定から24時間以内に殺処分、埋却や焼却、汚染物品の消毒、鶏舎清掃・洗浄・消毒などの防疫措置を完了することになっている。

高病原性鳥インフルエンザ発生の疑い事例について説明する県農林水産部の崎原盛光部長=15日、県庁

 県によると、発生農場から3キロ以内の移動制限がかかる農場はないが、10キロ以内の搬出制限の対象となる農場は18戸あり約42万羽が飼育されているという。県は、現時点で周辺農場から異常の報告はないと説明した。

 対策本部会議冒頭のあいさつで、玉城デニー知事は、発生農場付近では防疫措置実施に伴う交通規制などへの理解と協力を求めた上で「高病原性鳥インフルエンザは鳥類の病気であり、人に感染することはない。感染した鶏の肉が市場に出回ることもない」と強調し、冷静に対応するよう呼び掛けた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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