始まりは1本のビデオテープ、オハイオ州に鳴り響く諸見里エイサー
- 2021/1/31
- 社会
これまで諸見里青年会のエイサーを動画で見ながら練習してきたオハイオ諸見里エイサーグループにとって、念願の直接指導を受けることができた。今までエイサーが難しく「無理だ」と言っていた2世、3世の若い会員は、諸見里青年会のダイナミックな動きや音、迫力、技術の高さに魅了され、「こんなチャンスはない」と仕事の有給をとってまで、必死で練習に参加した。
来年、沖縄で再び共演を夢見る
そして、2018年10月27日、「世界のウチナーンチュの日」を祝うイベントを開催し、夢にまで見た初共演を果たしたのだ。約300人の来場者を前に、諸見里青年会のメンバーと一緒に、3曲続けてエイサーを披露し、キレのある力強い演技で会場を沸かせた。
照屋さんは「そこにビデオテープがあったからという簡単な理由で始めた諸見里エイサー。音や勢いが70代では絶対出せないものを若い青年たちが持ってきてくれた。今では音を聞いたら違いがわかるくらい聴き惚れている。半泣きで頼み込んできたおばぁあちゃんも涙を流して喜んでいた」と歓喜の声を上げた。
時代の変化と共に、YouTubeやSNSでネットワークが広がり、諸見里青年会を動画で見ることができる時代。照屋さんは「20年前の発足時からのゆるい動きが、一気に加速した」と話す。
また、IT(情報技術)の進歩によって、スマートフォンで沖縄民謡が世界中、いつでもどこでも聞くことができる。イヤホンを耳に当て、「スリサーサースリ」と口ずさみながら、イベント会場の準備や片付けをするウチナーンチュもいるなど、オハイオ州と沖縄の心理的距離感も近くなっている様子だ。
現在、オハイオ州沖縄友の会では、諸見里青年会と「第7回世界のウチナーンチュ大会(2021年)での再会、共演を目標にエイサーの練習に励んでいる。