宮古島「バブル」からコロナ禍へ 変化の只中で島は
- 2021/1/22
- 経済
終わらぬ建設ラッシュ
宮古島での「バブル」は、市の公共施設や陸上自衛隊駐屯地、下地島空港ターミナル、そしてリゾートホテルなどの建設工事が同時期に立て続けに行われたことで、資材価格が上昇し、建設作業員の人手不足も重なって起きたものだ。人件費に至っては、島外からも作業員を呼び込むため日当が増額され、ピーク時は本島での相場の3倍程度にもなっていた。
「あのままバブルが弾ける前にコロナで強制終了された形になったのは、良かったと思う。語弊があるが“コロナ様様”と言ってもいいかもしれない。あの状態がそのまま続けば、おそらく首をくくる人が増えていた」(建設会社の経営者)
建設業関係者によると「いまは日当は下がってきて落ち着いてきてはいるが、継続中の現場があるためまだ相場よりも高め」
陸自施設など大型の公共工事はひと段落したものの、現在も三菱地所の「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」や伊良部島の海岸線でも複数の大型リゾートホテルが建設中で、街中でもあちこちにホテルやアパートの工事現場を見かける。
コロナの直接的な影響では、現場で集団感染が出て一時的に工事がストップするケースはあったが、大きな経済的打撃は無く「現場は順調に動いている」という。
激増から一転、「ほぼゼロ」
バブルは建設業にだけ起きたのではない。市内で居酒屋を営む40代男性に話を聞いた。
「ドワッと人が増えて、変化が激しすぎて理解が追いついていないうちにコロナになった」
男性の店では3〜4年前から観光客が増え出し、“バブル”の時期のここ2年は観光客でほぼ満席という状態が続いた。20〜30席規模の店なので、通常時は地元客がフラッと訪れてもすぐに入ることができたが、観光客がメインの客層になってから地元客が入れない日が増えた。
「地元の人たちも予約を取らないと入れない状況が当たり前になり、『ちょっとおかしいな』と思いながらも、忙しい中で多くのお客さんを入れて回転させていく方向になった。地元客は自然と離れていったと思う」