興南高校野球部監督・我喜屋優さん(下) 沖縄・野球人伝説③

 

 あれから10年、今年はコロナ感染症拡大防止の影響で甲子園大会は中止。「野球だけじゃなく、今年の3年生はいろんな競技でつらい思いをした。それでも、そこが最後ではない。夢をもって突き進んで欲しい」。と理事長、校長として励ました。

2019年県大会決勝、229球をふらふらになりながらも投げきった宮城大弥投手(現・オリックス)

選手が伸びるかは指導者の責任

 沖縄から外に出て改めて気づいたこと、たくさんの出会いと境遇で初めて知ること、何度も味わった挫折、全ての経験が糧となり今がある。「選手が伸びるかどうかは指導者の責任。田植えと同じでね。種を撒き、水を与え太陽と風にあてて育てる。そして時代の変化に対応し、情熱をもって叱りながらも引き上げる。一回成功してこれで良しはない」。

 最後に我喜屋監督の今の夢を伺った。「野球のスコアボードは9回だけど、人生のスコアボードはまだまだ続きがある。そんなに目立たなかった生徒が将来`こんなことができた‘と報告してくることが楽しみ。彼らを応援することが夢だね」と、優しく笑った。沖縄だからこそできる野球。逆境を乗り越え進化した沖縄の高校野球が益々楽しみになってきた。(了)

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