「サッカーが日常」になるために FC琉球が沖縄の子供たちに夢を

 

 サッカー体験とはいえ、最初にコーチが教えることは①人の話を聞く時には目をみる②人が話をしているときは口を閉じる③わかった人と質問されたら大きな声で「はい」と返事をするという当たり前の「しつけ」だった。その後ようやく、ボールに触る。ボールの上に足を交互に載せ替える遊びから始まり、ドリブル、シュートなどサッカーの基本を簡単に教える。

大きな声で返事をします

 ボールが足になじんでくると、すぐさま4チームに分かれて5分ほどの試合を行った。ルールもわからないのに・・だ。決まり事はゴールにボールを入れることのみ。子供たちは所狭しとボールを追いかけ走り回った。1チーム2試合行うが、2試合目になると、最初の試合よりボールの扱いも、他の選手との距離感も明らかに上手くなっている。たった5分でこんなにもかわるのかと子供たちの成長に驚かされた。

勝ってやる気をおこさせる、でも子供はそれ以上に

 中心になってコーチをしていたFC琉球スクールコーチ兼アカデミー広報の内藤剛志さん(24)に心がけていることを聞くと「とにかく楽しむことが一番。そのために、流行の言葉を使ったり、子供目線で接することを大切にしています。最初は緊張していますが、だんだん壁がなくなって笑いが多くなりますね。終了した時に『もっとやりたい』とか『楽しかった』と言ってもらうと嬉しいです」。と話す。

しあいがんばるぞ!!お~!!

 試合での成長具合に驚いたことを伝えると、「実は参加を希望されたときに電話で経験や運動神経、性格などヒアリングをしてチーム分けをするんです。試合の組合せも考えて。全く初めての子供だと、1試合目より2試合目に勝って終わった方が『もっとサッカーやりたい』って思ってくれるので、少し仕掛けもします」。

 なるほど・・勝ってやる気をおこさせる・・・、心理作戦かと、うなってしまった。ところが「そういう風に仕掛けても、子供ってそれ以上に気持ちを出して勝ちにきますから、大人が勝たせようとしなくても、1試合目に負けたら次、勝っちゃうんですよ。結局本人の気持ち次第です」。と子供の可能性の大きさを教えてくれた。

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