ドッジボールに込める指導者の“願い” 小学生強豪「松島魂図」
- 2020/10/9
- エンタメ・スポーツ
子どもたちの世界を広げる
監督の言葉を継ぐように話してくれたのは妻の正枝(まさえ)さん。二人三脚で松島学童クラブを運営しながら魂図の活動もサポートしている。
「(土曜日の)朝練に起ききれなくて泣いて遅刻してきたとか、そういう思いをしながらも(諦めず)頑張れる子に育つことが私たちの願いですね」
小学生のドッジボールは春、夏と全国大会が2回ある。創設から8年の魂図は県代表として6回出場し、うち1度は予選リーグを突破して決勝トーナメントに進んだ。その一方で勝ち抜くことだけが目的ではないと正枝さんは力を込めて語る。
「(県代表になれば)ご褒美で飛行機に乗れるんだよ。全国大会という大きなところに行けるんだよ。ワクワク感がありますよね。小学生の時、全国や九州大会に行った。この子たちが中学に行って高校に行って、その後の進路を決める時に”あの時できたんだから”という気持ちで頑張れるんじゃないかなって」
監督夫妻は全国大会について、魂図の結果よりも他県の強豪チームの会場での立ち振る舞いや、戦術で感銘を受けたことを多く語る。その経験の積み重ねこそが、松島の子どもたちの世界を広げることにつながると確信している。
子どもたちの手応え
子どもたち自身も“自信”を積み重ねている。6年生の屋良景太郎(やら けいたろう)くんは中心選手。今は肩を痛め練習は控えているが、自分にできることをと、ゲーム審判や時計係を買って出ている。
「(鍛えられたのは)メンタルです。最初入ったころは練習試合でもめっちゃドキドキしていたけど、最近は試合をすることがうれしくて、成長できたと思いました」
同じく6年生の山口穂乃佳(やまぐち ほのか)さんは、練習が少し楽しかったからと2年生で始めた。
「(魂図は)みんなの仲が良くて、ミスしてもみんなで支えてあげるところがいいです。 最初は真正面のボールも捕れなかったけど、今は捕れるから上手くなっています。中学生になっても部活に入るときに体ができていると思います」