JFL降格危機のFC琉球、またも監督交代 J2昇格時の監督・金鍾成氏を再招集

 

 FC琉球の監督が、また代わった。

 サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は15日、成績不振のため喜名哲裕監督(46)が辞任し、過去3シーズンに渡って琉球の指揮官を務めた金鍾成氏(59)が監督に再就任することを発表した。金氏は19日のトレーニングから指揮を執るため、17日にホームのタピック県総ひやごんスタジアムで行う1位の愛媛FCとのホーム戦は白井裕之コーチが暫定的に監督を務める。

 倉貫一毅監督体制で始まった今シーズン、監督の交代は2回目。2021年から3季続けてシーズン途中に指揮官が代わっているが、それによって状況が好転することはほとんどなく、迷走状態が続いている。

どう再建する?リーグ最多失点「44」の琉球

 金氏は東京都出身。選手としてジュビロ磐田やコンサドーレ札幌でプレーし、1997年に自身が以前所属した在日朝鮮蹴球団のコーチに就任して指導歴をスタートさせた。朝鮮大学校サッカー部の総監督などを経て、2016年に琉球の監督に就任。攻撃的サッカーを掲げて18年にチームをJ3優勝に導き、球団初のJ2昇格の立役者となった。

 19~20年は鹿児島ユナイテッドFC、21年5月からはガイナーレ鳥取で監督を務め、今年6月に成績不振を受けて解任されていた。琉球の監督再就任を受けたコメントは、指揮を執り始める19日以降に伝えるという。

 18位の琉球は26試合を消化した現時点で、8勝14敗4分で勝ち点28。19位のSC相模原との勝ち点差は2ポイント、最下位20位のギラヴァンツ北九州との差は5ポイントに迫る。19位は日本フットボールリーグ(JFL)との入れ替え戦出場圏内、20位はJFLへの自動降格圏内となるため、2シーズン続けて降格しかねない厳しい状況に追い込まれている。

 最大の課題は守備であり、総失点数「44」はリーグ最多、得失点差「-17」はリーグで最も低い。攻撃的なスタイルを志向する金氏がどうチームを再建するのか、注目される。

喜名氏「全ては私の力不足」

敗戦後、選手たちを労う喜名哲裕監督=8月26日、沖縄市タピック県総ひやごんスタジアム
敗戦後、選手たちを労う喜名哲裕監督=8月26日、沖縄市タピック県総ひやごんスタジアム

 喜名氏は2021年10月から22年5月にも琉球の監督を務めたが、成績不振で解任された。今年6月、悩んだ末に低迷が続くチームの立て直しを目指して再就任を決意したが、今回も結果を残すことはできなかった。

 以下は辞任に伴う喜名氏のコメント。

 「シーズン途中ではありますが、監督を任せていただき、チームに躍動感や一体感をもたらし、そしてファン、サポーターの期待に応えたいと毎試合勝利を目指し戦ってまいりましたが、結果が伴わず本当に申し訳ございません。全ては私の力不足です。皆様には引き続き、より一層の応援をいただきますよう、心よりお願い申し上げます。ありがとうございました」


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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