「まずは残留を」豪快2ゴール、中野克哉の危機感と覚悟 FC琉球は4連敗

 

中野「1点目は逆サイドに振り抜こうと思った」

同点弾を決めた中野克哉に笑顔で飛び付く武沢一翔と高安孝幸。背後のスタンドにはFC琉球の大旗がなびく
同点弾を決めた中野克哉に笑顔で飛び付く武沢一翔と高安孝幸。背後のスタンドにはFC琉球の大旗がなびく

 白星が遠く、残留争いから抜け出せない琉球。19日からはJ2昇格時に琉球で監督を務めた金鍾成氏が新たに指揮を執る。豪快な2ゴールでチームをけん引した中野が愛媛戦後、メディアの取材に応じ、チームの現状や今後についてコメントした。以下は一問一答。

ー自身の2ゴールの感触は。

 「1点目は右サイドからボールが来て『逆サイドに振り抜こう』と思って打ったので、狙い通りでした。セットプレーでもったいない失点をした後に追い付けたし、前半を1ー0で折り返すか、1ー1で折り返すかというのは相当違うと思うので、良かったです。2点目はほぼラッキーですね」

ー後半はミスからの失点が続いた。

 「あの失点のやられ方が今のチームの弱さ。あそこで止められれば良かったけど、3失点目まで与えてしまった。ただ時間もあったし、一つ一つ取り返していこうというつもりでした。最後は押せ押せで。ただ、やっぱりあそこで守り切るのが首位のチームで、点を取り切れないのが僕らの今の立ち位置を示してると思う。弱さを受け止めて、次に生かすしかないと思います」

ー終盤はボランチをやっていた。

 「練習でもやっていなくて、中学生以来でした。相手を押し込めてはいた時間なので、攻撃を組み立てるというよりかは、前にボールをどんどん配給して、セカンドボールを拾って攻めるという形を意識してました。探り探りで、1つ大きいピンチをつくってしまいましたけど、それ以外は押し込みながらやれたと思います」

金鍾成体制へ「フラットな気持ちで」

同点弾を決め、吠える中野克哉
同点弾を決め、吠える中野克哉

ー次の試合からは金鍾成新監督が指揮を取る。どう今後につなげていくか。

 「まだどういう監督で、どういうスタイルかも分からない状態ですが、監督が要求することに対してどれだけ遂行できるかが大事になってくる。今シーズンで監督は3人目になりますけど、1回フラットな気持ちに戻したい。まだ11節残っているので、まずは残留を目指し、今の立ち位置から抜け出すことを目標にやっていけたらと思います」

ーシーズン中に監督が代わる心境は。

 「『ネガティブじゃない』と言ったら嘘になります。(倉貫)一毅さん、喜納(哲裕さん)さんの時に結果を出せなかったのは、やっぱり選手のふがいなさがあります。ただ監督が代わることをチームの強化部が判断したので、選手も新たな気持ちでやるしかない。晴れやかな気持ちではないですけど、新たな競争も始まりますし、いい刺激になるとは思います」

ー去年と今年のチームでの違いは。

 「違いを話すのは難しいですけど、やっぱり去年と同じような経験をしてしまっている。『2度同じことを繰り返すのか』というのは、去年いた選手はみんな思っています。苦しい状況が続きますけど、監督も代わって前向きにやっていくしかないので、いい意味で去年の経験を生かして頑張っていきたいです」

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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