ウェルネスが初、沖尚は3年連続の決勝進出!夏の甲子園、沖縄大会準決勝
- 2023/7/15
- エンタメ・スポーツ
高校野球の第105回全国選手権記念沖縄大会は15日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行った。ウェルネス沖縄は興南に1ー0で競り勝ち、沖縄尚学は宮古に5ー2で勝利。ウェルネスは初、沖尚は3年連続16度目の決勝進出を決めた。夏の甲子園出場を懸けた決勝は、16日午後1時から同スタジアムで行われる。
大濵が値千金の一打、安里は我慢の投球 ウェルネス
第1試合のウェルネス対興南は引き締まった投手戦となった。
圧巻のピッチングを見せたのは興南の先発左腕、田崎颯士。球速140㌔前後のキレのある直球を武器にほとんどバットにすら触れさせず、五回まで被安打ゼロ、8奪三振と完璧な立ち上がりとなった。
対するウェルネスの先発右腕、安里幸大は1週間前に糸満と対戦した準々決勝でノーヒットノーランを達成した好投手。準決勝は「正直いい状態ではなかった」と、フォームが乱れて制球に苦しんだが、ランナーを背負っても打たせて取るピッチングで我慢を続けた。
勝負を分けたのは七回表。ウェルネスは先頭打者の2番・富村大夢が中前打で出塁すると、パスボールで二塁へ進む。続く3番・新垣塁雅が確実に犠打で送り、一人凡退を挟んで2死三塁。ここで右打席には入ったのは、チーム屈指の好打者、5番・大濵安綺だ。
ボールカウント1-1からの3球目、若干内側よりの直球をうまく腕を畳んで強振。レフトに運び、先制点となる走者が生還するのを見送ると、一塁へ向かう大濵が飛び上がりながらガッツポーズを決めた。ウェルネスはその後、九回に安里からエース上原律己に継投し、最後まで興南を無得点に抑えて勝ち切った。
勝利の立役者となった大濵は、タイムリーヒットを放った打席を振り返り、「自分の中では先に1点を取った方が勝ちだと思っていて、あの場面では『決めるのは自分しかいない』と思って打席に立ちました。練習から厳しいコースを意識的に打ってきたので、勝手に体が反応しました」と笑顔を見せた。
九回途中までマウンドに立ち、被安打7、4奪三振で無失点の好投を見せた安里は、決勝に向けて「甲子園は憧れの場所。なんとしても出場して、支えてもらった家族や仲間に恩返しがしたい。決勝は内容にこだわらず、結果だけにこだわって勝つための投球がしたいです」を気合いを入れた。
ミスに乗じて加点、先発・伊波が試合つくる 沖尚
第2試合では、沖縄尚学が初回から流れをつかむ。3番・玉那覇世生が四球で出塁すると、4番・仲田侑仁が中前打で続いて2死一、三塁。ここで宮古の先発・新里竜正が暴投し、先制点を奪った。
三回にも仲田の適時打と6番・佐野春斗主将の犠飛で2点を追加。さらに五回には玉那覇と仲田の連打でチャンスをつくり、佐野のスクイズ、7番・宮平良磨の適時二塁打でリードを5点に広げた。
宮古島から初の甲子園出場を狙う宮古も諦めない。六回裏、先頭の7番・花城駿が相手の失策で出塁すると、8番・下地智也が右前打でチャンスを広げる。すると1番・川根心真主将と3番・友利洸星が適時打を放ち、2点を返した。
しかし、反撃もここまで。この回の途中から登板した沖尚のエース・東恩納蒼が最速140㌔台後半の直球や緩いカーブなどで宮古打線を手玉に取り、その後、宮古に許した安打は1本のみ。自力の差を見せつけ、沖尚が決勝に駒を進めた。
3安打1打点の活躍を見せた主砲の仲田は「前日の練習でタイミングの取り方を変えて調子が上がり、いい状態で臨めました」と振り返る。準々決勝までは打ち急いでいたが、投手が足を上げてから自身も打撃動作に入ることを意識し、タイミングが取りやすくなったという。ウェルネスは安里、上原という好投手二枚看板が揃うが、決勝に向けて「自分のタイミングで打てれば、相手投手は関係ない。どんなにいいピッチャーでも一球は甘い球がくるので、その一球を仕留められるようにしたいです」と意気込んだ。
チームは2番手投手以降が課題とされる中で、先発として6回途中までを投げ、2失点で試合をつくった伊波慶治朗は「自分の持ち味である緩急を使った投球で、序盤はテンポ良くピッチングができて攻撃に流れをつくれたと思います。決勝でも自分の投球で流れをもってきたいです」と見通した。